デスクワークの人向け!運動不足や肩こり・腰痛解消エクササイズ5選

長時間のデスクワークは筋肉の状態や血流などを悪くし、腰痛・肩こりを招くばかりか肥満や死亡リスクの増加など従業員の健康リスクに悪影響を与え、企業の生産性を低下させます。
この記事では長時間のデスクワークがなぜ健康に悪い影響を与えるのかを解説します。
デスクワーク中にできる運動不足を解消するエクササイズと簡単にできる運動習慣づくりについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
長時間のデスクワークが健康に与える影響

長時間のデスクワークは筋力や代謝能力などの低下を起こし、健康にさまざまな悪影響を与えることが指摘されています。
座りすぎると体にどのような悪影響があるのかについて詳しく解説します。
死亡リスク増加
デスクワークを長時間続けると下半身の筋肉の活動が低下します。その結果、筋力や糖・脂質などの代謝、血流をスムーズに保つ機能の低下などが起こり、肥満や糖尿病、がん、脳や心臓血管、認知症リスクなどが増加すると考えられています。
京都府立医科大学が6万人超の日本人を対象に調査したところ、日中に座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクが15%増加するという調査報告がされています。さらに、余暇の身体活動量を増やしても日中の座位の長さによる死亡との関連を完全になくすことはできないと報告されています。
そのため、長時間座りがちな従業員に対しては座りすぎを予防することが大切です。
肥満
座る時間の長い人は肥満のリスクが高まると考えられています。
体重は消費エネルギー量と摂取エネルギー量のバランスによって増減します。消費エネルギー量が摂取エネルギー量よりも大きいと体重は減少し、摂取エネルギー量が大きいと体重は増加します。
座位は消費エネルギー量が小さい姿勢です。そのため、長時間座位で生活すると、体重が増加しやすくなります。
腰痛・肩こり
座位は立位や仰向けなどよりも腰への負担が高い姿勢です。長時間続けると痛みを伴うレベルまで負担が蓄積されます。
また、長時間のデスクワークは筋肉を動かさないため血液の流れが少なくなり筋肉がこわばり、結果として腰痛や肩こりが現れます。
アブセンティーズムの増加
アブセンティーズムとは心身の不調により遅刻・早退・欠勤・休職など、業務が行えない状態を指し、医療費増加や生産性低下を招きます。
長時間の座位は肥満や血管に関する疾患、認知症リスクを増大させるばかりか、メンタルへも悪影響を与えます。
そのため、体調悪化や体力低下からの集中力低下、通院による欠勤や休職などによって生産性の低下につながります。
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デスクワーク中にできる運動不足解消エクササイズ5選

座りすぎないためには仕事中でも定期的に体を動かすことが効果的です。
次に、仕事の合間にできる運動不足を解消するためのエクササイズを5つ紹介します。
スクワット
スクワットは下半身全体と体幹の筋肉を同時に鍛えられる効率のよいエクササイズで、特別な道具が必要なくその場で簡単に行うことができます。
全身の筋肉が使われるため血流もよくなり固まった筋肉が一気にほぐれ頭もスッキリするため、全てのデスクワーカーにおすすめします。
【やり方】
- イスに浅く腰かけます。
- 足の裏が床に全面触れて膝が直角程度の高さになるように、イスの高さを調整します。
- 足幅を肩幅に開き、つま先は30〜45度程度外に向けます。
- 口から息を目一杯吐きながら立ち上がります。
- 鼻から息をゆっくり吸いながらしゃがみます。
- 10〜15回程度繰り返します。
【注意点】
- エクササイズ中はかかとやつま先が浮かないよう、足の裏を床にベッタリつけて行いましょう。
- ゆっくりしゃがみましょう。イスが動いて転倒する可能性がありますので気をつけましょう。
上体倒し
上体倒しは座ったまま体を前に倒してから起き上がる動作で腰とお尻の筋肉を伸び縮みさせるエクササイズです。
座りっぱなしで圧迫され続けたお尻や凝り固まった腰の筋肉をほぐすのに効果的です。
【やり方】
- イスの高さを足の裏が床に全面くっつくように調整する。
- 両足を腰幅程度に閉じて、つま先は正面に向け、口から息を目一杯吐ききる
- 鼻からゆっくりと息を吸いながら体を折りたたむように倒し、両手を床に近づける。
- 口から息を目一杯吐きながら起き上がってくる
- 10〜15回繰り返す。
【注意点】
- 両手はできるだけ床に近づけるように手を押し出します。
- 呼吸は口から一気に空気を吐ききり、鼻からゆっくりとできるだけ少ない量を吸いましょう。
ひざ上げ
ひざ上げは座ったままひざを胸の方へ持ち上げて下ろすのを繰り返す運動で、下腹部や股関節の筋肉を鍛えるエクササイズです。骨盤や背骨周りの筋肉を動かしてほぐし、腰痛予防につながります。
【やり方】
- イスに浅く腰かけ手のひらを座面の端におき、腰を丸めて少し前傾して口から息を吐ききります。
- 鼻から軽く息を吸いながら手で座面を押しながら両ひざを胸の方へ引き上げます。
- 口から息を吐きながら脚を降ろします。
- 10〜15回繰り返します。
【注意点】
- 呼吸の方法がポイントで、うまく意識してできると、ひざ上げをスムーズに行うことができます。
胸のストレッチ
デスクワーク中は腕が体の前側にあるため胸にある筋肉の大胸筋が固くなりがちで、姿勢の悪化や肩関節の動きの悪さにつながります。
仕事中にほぐすことで正しい姿勢を保ち生産性を保てるでしょう。
【やり方】
- 背もたれから少し離れて座ります。軽く背筋を伸ばし胸を少し右側に向けます。
- ひじを伸ばして左手を斜め45度程度に開きます。
- 体を右側にひねり、左手はより左側に開かせます。
- 胸の外側に伸びた感じが出たら30秒間キープします。
- 反対側も同様に行います
【注意点】
- 腕の角度が水平に近くなると伸び感がなくなります。適度な角度を見つけましょう。
呼吸エクササイズ
上手に呼吸を行うことが肩こりと腰痛予防に効果的です。
上手に呼吸ができていると、首や肩、腰の筋肉への負担が最小限になり、筋肉のコリが少なくなります。逆に首や肩、腰の筋肉を過剰に使った呼吸では負担が大きくなりコリにつながります。
【やり方】
- 少しだけ浅く腰かけ、腰だけ背もたれに当てて背中を丸めあごを引きます。両手は両ひざの裏を軽くつかみます。
- 口から肺やお腹の中の空気を空にするつもりで思いっきり息を吐きます。5秒息を止めたら鼻からゆっくりと息を吸います。
- 5〜10回、この呼吸方法を繰り返します。
【ポイント】
- しっかりと腰を丸めたまま行いましょう。腰の筋肉の利用を最小限にできます。
- 息を吸いすぎると肩がすくんでしまいます。息を吸うときは鼻からゆっくりと吸い、肩がすくまないように意識します。
デスクワーカーが簡単にできる運動習慣のつくり方

最もおすすめするのが通勤・退勤時で運動量を増やすことです。一駅・一バス停分余計に歩いたり、晴れている日は自転車通勤にするなどで、手間なく運動量を増やすことが可能です。
通勤手段が車でほとんど歩かない人は、自宅での「ながら運動」から始めてみてはいかがでしょうか。自宅でテレビなどを見ている最中に腹筋やスクワット、腕立て伏せを行うなどで運動不足を補うことができます。
理想は運動の予定を入れて定期的にまとまった運動をすることです。しかし、まずはできる範囲から運動をするだけでも効果はありますから、気軽に運動を行ってみましょう。
1日の中で5分間の筋トレタイムをつくることから始めるのも効果的です。
- スクワット
- 腕立て伏せ
- プランク など
自分の体重を使って負荷をかけることで行える簡単な筋トレを組み合わせます。短時間でも毎日続けることで、筋力アップと代謝向上につながり、習慣化も期待できます。
運動記録 アプリやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを使うと、目標設定や達成度の確認が容易になり、モチベーション維持に役立ちます。同僚や友達に公開して、競い合うのもおすすめです。
デスクワークの間に運動で体をほぐして生産性を高めよう

長時間のデスクワークは脳血管疾患、糖尿病など多くの疾患リスクを高めてアブセンティーズムを招きます。
アブセンティーズムを防ぐためには座り続けることを避け、定期的に運動することが効果的です。
デスクワーク中にできる簡単な運動をチェックしつつ、定期的な運動を行う仕組みをつくって従業員の健康を守り、業務生産性を高めましょう。
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