不眠症とは?3つのタイプと原因、仕事への影響や改善策を解説!
「最近、なかなか寝つけない」
「夜中に何度も目が覚める」
「朝早く目が覚めて、その後眠れない」
などと悩んでいませんか?それはもしかしたら、不眠症かもしれません。
本記事で解説するのは、以下の5つです。
- 不眠症とは?
- 不眠症の3つのタイプ
- 不眠症の原因
- 不眠症がもたらす仕事への影響
- 不眠症の改善方法6つ
この記事では、不眠症の種類や原因、仕事への影響、そして具体的な改善策をわかりやすく解説しています。
不眠症とは?
不眠症とは、不眠症状が続くことで、日中にさまざまな症状が表れる病気です。具体的には、次のような症状が表れます。
- 不安感
- イライラ
- 日中の眠気
- 疲労感や不快感
- 意欲・活力・自発性の低下
- 注意力・集中力・記憶力の低下
- 就業や学業上のパフォーマンスの低下
不眠と日中の不調が週3日以上あり、3カ月以上の場合は「慢性不眠障害」、3カ月未満の場合は「短期不眠障害」と診断されます。
不眠症の3つのタイプ
不眠障害には主に以下の3つのタイプがあります。
- 入眠障害:寝つきが悪い
- 中途覚醒:眠りが浅く何度も目覚める
- 早朝覚醒:早朝に目が覚めてそのまま眠れない
不眠障害のタイプを知ることで、不眠の原因検索や改善策、治療選択の参考になります。
参考:精神雑誌「睡眠・覚醒障害(Sleep-wake Disorders)」
不眠の原因
不眠には以下のような原因があります。
1.生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは自律神経のバランスをくずし、不眠を招いてしまいます。
具体的には不規則な生活や夜更かし、寝る前のスマホなどが挙げられます。
2.過度なストレス・不安
過度なストレスや不安によって交感神経が優位になり心身を興奮させます。この状態が続くとリラックスできずに寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。
ストレス・不安を感じるとコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌され、睡眠を促すメラトニンを抑制し、睡眠の質を低下させます。
3.嗜好品や薬の影響
睡眠を妨げる嗜好品や薬には、以下のようなものがあります。
- アルコール
- カフェイン
- ニコチン
- 降圧剤
- 甲状腺ホルモン製剤
- 抗がん剤
- 抗ヒスタミン薬
アルコールやコーヒー、たばこなどの嗜好品には覚醒作用があります。特に、アルコールは就寝前に摂取すると睡眠の質が大きく低下するので、寝酒はしないように注意しましょう。
そのほか、薬剤には睡眠の妨げになるものがあるので、内服している方は注意しましょう。
4.身体症状の影響
ほかの病気の影響で睡眠が妨げられるケースがあります。
たとえば、睡眠時無呼吸による睡眠時の息苦しさや喘息による夜間の咳、皮膚疾患によるかゆみなどが挙げられます。
このようにほかの病気が不眠の原因となっている場合には、不眠そのものではなく原疾患の治療が先決です。
5.睡眠環境の影響
騒音や寝室の照度の影響で睡眠に影響がでることがあります。
また、寝室の温度・湿度は睡眠の質に大きく影響します。
適切な温度・湿度でないと寝つきが悪くなったり、中途覚醒が起こったり、熟睡感が得られない原因になる場合もあるので思い当たる人は調整してみてください。
不眠症がもたらす仕事への影響
不眠症の状態で仕事をしている場合には、以下のような影響が出る可能性があります。
1.パフォーマンスが低下する
不眠症があると、勤務中の集中力と判断力が低下する可能性があります。
眠気やイライラで活力が低下し、仕事の効率が悪くなってしまいます。
2.ミスが多くなる
注意力が散漫になり、普段なら問題なくできる作業でもケアレスミスが多くなります。
3.事故のリスクの増加
日中の強い眠気は、運転中や作業中の居眠りの原因になり、普段では考えられない大きな業務中の事故を起こす可能性があります。
企業にとって大きな労災事故のリスクといえるでしょう。
4.対人関係の悪化
不眠症により生じるイライラや焦燥感は、どうしても周囲に伝わってしまうことがあります。
普段は気にならないことでも過敏に反応してしまったり、集中力や注意力の低下から誤解が生じやすくなったりするなど、職場での対人関係に支障をきたすかもしれません。
5.離職の可能性
不眠症の影響で意欲や自発性が低下している場合、仕事への自信ややりがいを感じにくい職場になってしまうことがあります。
また、うつ病などの精神疾患につながる可能性もあり、休職や退職を余儀なくされるケースにつながることもあるでしょう。
不眠症の改善方法7つ
不眠症を改善するために、今日からできる6つの対策を紹介します。
1.規則正しい生活
睡眠と覚醒は自律神経によって体内リズムを自然に調整されています。
このリズムを崩さないことが質の高い睡眠につながるため、休日でもなるべく平日と同じ時間に起き、夜更かしや長時間の昼寝は避けましょう。
日中に眠気がある場合には、午後3時前までに30分以内の昼寝をとるのが効果的です。
2.適度な運動
適度に運動することで、ほどよい疲労感が生まれ、寝つきがよくなります。逆に、激しい運動は交感神経を興奮させてしまい、寝つきが悪くなる可能性があるので避けましょう。
ウォーキングやジョギング、スクワットなどの、息が少し上がる程度の有酸素運動を継続するのが効果的です。適度な運動は午前よりは午後にするのがよいでしょう。
3.ストレス解消
質の高い睡眠には、心身のリラックスが大切です。趣味など好きなことに没頭する時間をつくったり、瞑想や深呼吸で心を落ち着かせる時間を設けたりするのもいいでしょう。
そのほかの具体例としては、次のような行動によってゆったりする時に活発になる副交感神経を優位になるように促し、質の高い睡眠に導く効果も期待できます。
- ぬるめのお風呂にゆっくり入る
- 好きな音楽を聴く
- 読書を楽しむ
- 好きなアロマの香りを楽しむ
- ハーブティーを飲む
4.寝酒は避ける
寝る前の飲酒は、一見寝つきをよくするように感じますが、実は逆効果です。
一時的に眠気を誘うかもしれませんが、その後は睡眠が浅くなり、途中で目が覚める原因になります。
また、酒には利尿作用もあるので、夜中にトイレに行きたくなって目が覚めることもあります。お酒の量はほどほどにし、とくに寝酒は避けましょう。
5.快適な睡眠環境をつくる
自分に合った寝具や寝室環境を整えましょう。温度は季節にもよりますが、おおよそ20℃前後、湿度は50〜60%程度が理想的です。
冬場の寒い季節には、寝る前にあらかじめ毛布などで寝具内を温めておくとよいでしょう。
また、適度な硬さのマットレス・敷き布団を選び、掛け布団も保温性、吸・放湿性などと一緒にフィット感も必要です。夜に明る過ぎる照明を浴びなくていいように、寝室は暖色系の蛍光灯などにするのがおすすめです。
6.病院を受診する
1~5の対策を行っても不眠症状が続く場合は、医療機関を受診しましょう。まずはかかりつけ医に相談の上、改善しない場合には専門医の受診をためらわないようにしましょう。
病院ではまず、生活指導を十分に行った上で、必要時に睡眠薬による治療を行います。従来は、即効性がある一方で依存しやすい「ベンゾジアゼピン系」という薬が主流でした。
しかし、最近では覚醒維持に重要な生体物質オレキシンをブロックして、より自然な睡眠を促すスボレキサント(ベルソムラ®)を改良したレンボレキサント(デエビゴ®)という薬も登場しています。
不眠障害がある場合、病院で治療を受けることで、安心して睡眠状況を整えつつ仕事や生活の質を回復させられるでしょう。
まとめ:不眠症を疑ったら、医療機関を受診しよう!
不眠症とは夜間に不眠症状があり、生活に支障が出る状態のことです。
不眠症を放っておくと、仕事でミスが増えたり、集中力が低下して事故につながる危険性もあります。まずは自分でできる改善策を試してみましょう。
それでも眠れない場合は、我慢せずに医療機関を受診することを検討してみてください。不眠症でなかなか相談できない際や不眠症の根本的な原因のカウンセリングを希望される際には、ぜひ弊社お問い合わせへのご相談もご検討ください。