「先生は“働き方も血圧に関係する”と言うけれど、僕は工場で一日中動いているし、通勤も自転車。運動不足のはずないのに、なんで血圧が高いの?」
健診で高血圧を指摘された方から、こうした声をよくうかがいます。動いているのになぜ高血圧なのか、という疑問はもっともです。
この記事では、「仕事で体を動かしているのに血圧が高い」という素朴な問いを一緒に検証しながら、基準値の見方・受診の目安・会社の対応策までを、働き方との関係も含めて産業医の視点で整理します。
この記事のポイント
- 健診の1回の値だけで高血圧の診断や就業制限を決めません。
- 診断基準、健診後の対応、治療目標は別の数字です。
- 収縮期と拡張期は「両方」ではなく、どちらか一方が基準を超えても該当します。
- 夜間の血圧は、通常の朝・晩の家庭血圧だけでは判断できません。
- 会社は血圧値だけで業務起因性を決めつけず、勤務・作業条件を確認し、受診支援と必要最小限の就業配慮を行います。
高血圧は定期健康診断で2番目に多い所見

令和7年の一般定期健康診断では、血圧の有所見率は全国18.74%でした。血中脂質に次いで多く、働く人にとって身近な健診所見です[1]。
高血圧だけで就業制限や夜勤禁止になる?
Q. 健診で血圧が高いと、すぐ仕事を止められますか?
A. 原則、健診の血圧値だけで一律に夜勤・運転・残業を止めません。家庭血圧と受診結果、症状、作業上の危険を確認して個別に判断します。
高血圧の診断や就業配慮は、健診の1回の値だけでは決めません。本人と会社は、次の順で対応します。
- 健診機関が示した受診時期を確認する。
- 上腕式血圧計で、朝と夜の家庭血圧を記録する。
- 健診結果と記録を持って、内科・循環器内科などへ相談する。
- 会社は医師の意見と作業上の危険を踏まえ、必要な配慮だけを期限付きで検討する。

厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム」では、収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上は「すぐに医療機関の受診を」とされています[2]。
これは通常、救急車を呼ぶという意味ではなく、放置せず速やかに通常外来へ相談するという位置づけです。
また、主に特定健診・保健指導で使う目安であり、職場の法定健診に共通する診断基準や就業制限基準ではありません。
急な強い症状がある場合の受診目安は、記事末尾の「補足|急な症状があるときの受診目安」で確認できます。
血圧の基準はどう読む?診断・健診後対応・治療目標を分ける
Q. 140/90、160/100、130/80は、どれが正しい基準ですか?
A. どれも用途が違います。診断基準、健診後の対応、治療でめざす値を同じ表に混ぜないことが大切です。

高血圧の診断基準
高血圧の診断は、繰り返し測定した血圧で行います。
日本高血圧学会は、診察室血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上を高血圧の基準としています[5][7]。
| 測定場面 | 収縮期 | 拡張期 |
|---|---|---|
| 診察室血圧 | 140mmHg以上 | 90mmHg以上 |
| 家庭血圧 | 135mmHg以上 | 85mmHg以上 |
※「140/90以上」は、収縮期140以上または拡張期90以上という意味です。両方が高い必要はありません。
健診後の対応の目安
ここでは、厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム」に示された、生活改善や受診につなぐための目安を整理します[2]。
| 健診値(いずれか) | 位置づけ | 対応 |
|---|---|---|
| 130〜139 または 85〜89 | 保健指導判定値を超える | 生活改善・保健指導 |
| 140〜159 または 90〜99 | 受診勧奨判定値を超える | 生活改善後も改善しなければ受診 |
| 160以上 または 100以上 | 高い受診勧奨域 | 速やかに通常外来を受診 |
※同じ行の収縮期と拡張期は「または」で判定します。脳卒中の既往、心臓病・腎臓病・糖尿病がある方は、健診・診察室で収縮期140mmHg以上または拡張期90mmHg以上なら、生活改善だけで様子を見ず、速やかに通常外来へ相談してください[5]。この表は、職場の法定健診に共通する診断基準・就業制限基準ではありません。健診機関から個別の指示がある場合は、その指示を優先してください。
治療でめざす血圧
日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、一般的な降圧目標を診察室130/80mmHg未満、家庭125/75mmHg未満としています。
ただし、やみくもに下げるのではなく、個人の状態、有害事象、副作用を考慮して調整します[6]。
| 測定場面 | 一般的な降圧目標 | 補足 |
|---|---|---|
| 診察室血圧 | 130/80mmHg未満 | 個別状況と副作用を考慮 |
| 家庭血圧 | 125/75mmHg未満 | 記録を医師と共有 |
※治療目標の「130/80mmHg未満」は収縮期130mmHg未満かつ拡張期80mmHg未満、「125/75mmHg未満」は収縮期125mmHg未満かつ拡張期75mmHg未満を指します。診断基準を下回れば治療目標を達成した、という意味ではありません。一方、目標未達だけで自己判断による増薬・中止もしないでください。

家庭血圧で何がわかる?白衣高血圧・仮面高血圧と24時間血圧測定
Q. 健診で高くても、自宅で正常なら問題ありませんか?
A. 健診の1回の値だけでは確定できません。診察室血圧が高く、家庭血圧または24時間血圧測定(ABPM)による診察室外血圧が高血圧基準未満なら白衣高血圧、診察室血圧が高血圧基準未満でも診察室外血圧が高ければ仮面高血圧です。繰り返し測定した値を比較して医師が診断します。
家庭血圧は、上腕式血圧計を使います。朝は起床後1時間以内・朝食前・服薬前、夜は就寝前に、トイレを済ませて1〜2分座ってから、1機会に原則2回測って平均を記録します。
夜勤者は、時計上の朝ではなく、主な睡眠から起きた後1時間以内を「朝」の測定として記録すると比較しやすくなります。
勤務・睡眠・測定時刻も記録し、測定タイミングは主治医へ相談してください。週5日以上の記録を健診結果と一緒に医師へ見せてください[7]。
- 白衣高血圧:診察室血圧が繰り返し高い一方、家庭血圧またはABPMでは高血圧基準未満。
- 仮面高血圧:診察室血圧は高血圧基準未満だが、家庭血圧またはABPMでは高い。
- 持続性高血圧:診察室血圧が高く、家庭血圧またはABPMでも高い。
通常の朝・晩の家庭血圧は、白衣高血圧や仮面高血圧を見つける手がかりになります。ただし、睡眠中に血圧が下がらない「非ディッパー型」や夜間に上がる「ライザー型」は、朝・晩の測定だけでは判定できません。
夜間血圧を評価する必要があると医師が判断した場合は、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)や夜間家庭血圧測定を使います。
家庭血圧とABPMはどちらも診察室外の血圧を評価しますが、ABPMは日常生活中から睡眠中まで一定間隔で自動測定する検査です。朝・晩の家庭血圧とABPMは、互いに置き換えられるものではありません。[8]

塩分だけが原因?生活・体質・病気の影響
Q. 塩分を控えているのに、なぜ血圧が高いのでしょうか?
A. 血圧は塩分だけで決まりません。体質、体重、運動、飲酒、喫煙、睡眠、病気、薬などが重なって変化します。
よくある背景は、食塩のとりすぎ、体重増加、運動不足、飲酒、喫煙、睡眠不足、加齢、遺伝的体質です。生活を整えても高値が続く場合は、「努力不足」と決めつけず、医療機関で原因を確認します。
睡眠時無呼吸症候群、腎臓病、内分泌疾患、処方薬や市販薬などが関係する二次性高血圧もあります。若年で急に発症した、急に悪化した、複数の薬でも下がりにくい、低カリウム血症がある場合などは、追加検査が必要になることがあります。
仕事は血圧にどう影響する?夜勤・長時間労働・身体負荷を見る
Q. 仕事で一日中動いているのに、なぜ血圧が高いのでしょうか?
A. 仕事で動くことと、健康のために計画した運動は同じではありません。勤務時間、睡眠、作業負荷、環境・心理面を分けて見ると、対策を具体化しやすくなります。
仕事と血圧の関係を考えるときは、次の4つに分けて確認します。
- 勤務時間:夜勤・交代勤務、長時間労働、短い勤務間隔
- 睡眠・回復:睡眠不足、不規則な生活、休憩・回復不足
- 作業負荷:重量物、同じ負荷の反復、長時間の座位、休息の取りにくさ
- 環境・心理:強い緊張、低い裁量、暑熱・寒冷、騒音
厚生労働省の脳・心臓疾患の労災認定基準でも、長時間労働だけでなく、勤務間隔、不規則・交代制・深夜勤務、身体的負荷、温度環境、騒音などを業務負荷の評価要素として挙げています[18]。
ただし、これは個々の要因が高血圧の原因であることや、就業制限の基準になることを意味しません。
夜勤・交代勤務と血圧には関連が報告されていますが、研究の多くは観察研究です。2021年のメタ解析では、恒常的な夜勤で平均血圧がわずかに高い傾向が示された一方、高血圧という診断の頻度には明確な差が確認されませんでした[9]。
また、「仕事で動いているから運動は不要」「身体を使う仕事は血圧に悪い」とも一律には言えません。作業の種類・強度・時間・休息を確認し、余暇の運動は体調と医師の助言に合わせて組み立てます[10]。
実務では、勤務日と休日の家庭血圧、睡眠時間、勤務時間、症状を一緒に記録して受診時に共有します。会社は血圧だけから業務起因性を推定せず、必要に応じて勤務や休息の条件を見直します。

血圧を下げる治療とセルフケア
Q. 生活を変えれば、薬を飲まずに下げられますか?
A. 生活改善は大切ですが、薬が必要かどうかは血圧だけでなく、年齢、臓器障害、併存疾患、総合リスクで決まります。処方薬は自己判断で中止・増減しないでください。
生活改善では、次を無理のない順に進めます。
- 減塩:高血圧の人は食塩1日6g未満が一般的な目標です[11]。
- 身体活動:安定した慢性疾患では、体調に応じて歩行などの身体活動を増やします。厚生労働省は成人に1日60分以上の身体活動、筋力トレーニング週2〜3日を目安としていますが、現在の体力や病状に合わせて徐々に増やします。安静時血圧が収縮期180mmHg以上または拡張期110mmHg以上(家庭血圧では収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上)の場合は、運動を始める前にまず血圧をコントロールします[10]。
- 体重管理:急な減量ではなく、食事・活動・睡眠を一緒に見直します。
- 飲酒:高血圧では少量でもリスク上昇が示されるため、純アルコール量を把握し、減酒と飲まない日を検討します。一度に多量に飲むことも避け、「この量なら安全」とは言い切れません[12]。
- 禁煙と睡眠:喫煙を避け、睡眠不足や睡眠時無呼吸の疑いを医師へ相談します。
若年で急に発症した、急に悪化した、複数の薬でも下がりにくい、低カリウム血症がある場合などは、二次性高血圧の検査が必要になることがあります。
会社は何をする?受診支援・法令・健康情報の扱い
Q. 人事は、健診の血圧値を見て夜勤禁止を決めてよいですか?
A. 人事が数値だけで就業制限を決めるのは適切ではありません。医師の意見を聴き、本人と話し合い、必要最小限の措置を決めます。
労働安全衛生法では、健康診断結果の記録が第66条の3、異常所見者について医師(歯科医師による健康診断については歯科医師)の意見を聴くことが第66条の4、その意見を踏まえた必要な措置が第66条の5、結果の本人への通知が第66条の6、保健指導が第66条の7に定められています[13]。
意見聴取は原則として健診実施日から3か月以内に行います[14]。
会社の実務は、次の5点が中心です。
- 健診結果を本人に通知し、受診が必要な場合は期限と相談先を伝える。
- 異常所見者について、原則3か月以内に医師の意見を聴く。
- 家庭血圧、精密検査、治療状況など法定健診の範囲を超える情報は、本人の同意を得て、産業医・保健師等が必要な範囲で確認する。
- 必要な場合だけ、就業上の措置と見直し時期を決める。
- 面談、医師意見、実施した措置を必要な範囲で記録する。
法定健診結果は事業者が取得・記録しますが、上司や一般の人事担当者まで生の検査値や詳しい病名を共有する必要は通常ありません。
「避ける作業」「配慮の期間」「見直し条件」など、役割上必要な就業情報に加工して共有します。厚生労働省の指針も、情報を扱う人と範囲を制限し、必要に応じて医師意見などへ加工する考え方を示しています[15]。
産業医の選任義務がない労働者50人未満の事業場では、地域産業保健センターが、健康診断結果に基づく健康相談や、長時間労働者への医師による面接指導の相談などを原則無料で提供しています。利用条件は地域によって異なるため、所在地を担当する窓口へ確認してください[16]。
受診を促すことと、病名・生活習慣を詮索することは別です。受診の有無を一律に制裁へ結びつけず、本人が相談しやすい導線を整えます。
高血圧の就業配慮は「原則」と「例外」を分ける
Q. 高血圧なら、夜勤・運転・高所作業・残業を止めるべきですか?
A. 原則、血圧の数値単独では就業制限しません。ただし、急な症状、臓器障害、併存疾患、薬の副作用、作業上の危険が重なる場合は、個別に一時的な配慮を検討します。
| 区分 | 就業配慮の考え方 |
|---|---|
| 原則 | 血圧の数値単独では就業制限しない |
| 個別評価 | 症状・臓器障害・併存疾患・薬の副作用・作業上の危険を確認 |
| 一時的配慮 | 受診や安全確保に必要な範囲。例:期限付きの時間外労働削減 |
| 見直し | 受診後に理由・期間・解除条件を再評価 |
著しい高値が続き、早期受診が必要で、長時間労働が受診や睡眠を妨げている場合には、受診と安全確保に必要な範囲で、期限付きの時間外労働削減などを検討します。
就業配慮の内容や期間は、血圧の数値だけでは決めません。夜勤、運転、高所作業、重量物作業についても、症状、意識消失リスク、急性臓器障害、循環器疾患、薬によるふらつき、作業の危険度を踏まえて個別に判断します。
就業措置は、罰や受診強制の代わりに使いません。理由、期間、解除・見直し条件を本人へ説明し、受診後に再評価します。
厚生労働省の健康情報取扱指針は、不利益な取扱いにつながらないようにすることを求めています[15]。また、健診後措置の指針は、医師等の意見と労働者の実情を踏まえて必要な範囲で措置を決め、改善後は通常勤務への復帰を含めて見直す考え方を示しています[17]。

まとめ|数値だけで仕事を止めず、測定・受診・見直しへつなぐ
Q. 本人と会社が、最低限そろえておくべき対応は何ですか?
A. 本人は家庭血圧と受診、会社は受診支援と個別の就業判断です。どちらも、健診の1回の値だけで結論を出しません。
- 健診で高値なら、家庭血圧を記録し、健診機関の指示に沿って受診する。
- 診断基準、健診後の対応、治療目標を混同しない。
- 急な神経症状・胸痛・呼吸困難・意識障害などは119番を優先する。
- 会社は医師の意見を聴き、数値単独で夜勤禁止・運転禁止を決めない。
- 配慮が必要なら、目的・期間・解除条件を定めて見直す。
高血圧対策は、就業制限の線引きを探すことではなく、働きながら安全に治療と生活改善を続けられる仕組みをつくることです。
健診後の受診勧奨や就業判定の運用に迷う企業は、産業医・産業保健職へご相談ください。
補足|急な症状があるときの受診目安
Q. 血圧が高いとき、どのような場合は通常外来を待たずに相談しますか?
A. 健診の数値だけで救急受診を決めるものではありません。突然の神経症状、持続する胸痛、強い呼吸困難、意識障害などがある場合は、通常の健診後対応と分けて判断します。
救急・当日・外来相談の考え方
- 119番:突然の激しい頭痛、顔や手足の片側のまひ・しびれ、ろれつが回らない、急に視野が狭くなる・物が二重に見える、持続する胸の圧迫痛、強い呼吸困難、意識障害、けいれんなどがある[3]。
- 当日相談:119番に該当する急性症状はないが、安全側の目安として、安静後に測り直しても収縮期180mmHg以上または拡張期110mmHg以上の著しい高値が続く、または健診機関・医療職から当日受診を指示された。
- 速やかな外来相談:急な症状はないが高値が続く。特に収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上、または健診機関から早期受診を指示された。脳卒中の既往、心臓病・腎臓病・糖尿病がある方は、健診・診察室で収縮期140mmHg以上または拡張期90mmHg以上なら、生活改善だけで様子を見ず速やかに通常外来へ相談する[5]。
収縮期180mmHg以上または拡張期110mmHg以上という数値だけで119番と決めるのではなく、急な症状や臓器障害の疑いを合わせて判断します。迷うときは地域の救急相談窓口や医療機関へ相談してください。
妊娠中・産後の血圧上昇は一般成人とは別に考えます。これまでにない強い頭痛、目が見えにくい、ろれつが回りにくい、手足が動きにくい、普段と違う胃・上腹部の痛みや吐き気などがある場合は、すぐに産婦人科へ連絡してください。重い急性症状では119番を優先します[4]。
よくある質問
健康診断で高血圧を指摘されたら、すぐ病院に行くべきですか?
多くは救急受診ではなく、家庭血圧を記録し、健診結果に示された時期に外来へ相談します。収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上は放置せず速やかに通常外来へ相談してください。脳卒中の既往、心臓病・腎臓病・糖尿病がある方は、健診・診察室で収縮期140mmHg以上または拡張期90mmHg以上なら、生活改善だけで様子を見ず速やかに通常外来へ相談します。健診機関から当日・早期受診の指示があれば優先してください。
収縮期180mmHg以上または拡張期110mmHg以上なら、症状がなくても救急車を呼びますか?
数値だけで119番と決めるものではありません。突然の激しい頭痛、片側のまひ、ろれつ困難、急に視野が狭くなる・物が二重に見える、持続する胸痛、強い呼吸困難、意識障害、けいれんなどがあれば119番を優先します。症状がなくても、安静後に測り直して収縮期180mmHg以上または拡張期110mmHg以上の高値が続く場合は、安全側の目安として当日中に医療機関へ相談してください。
高血圧だと、夜勤や車の運転を止められますか?
原則、血圧の数値単独では夜勤・運転を一律に制限しません。急な症状、臓器障害、併存疾患、薬によるふらつき、作業上の危険などを産業医等が個別に評価し、必要な場合だけ期限付きで配慮します。
健診と家庭で血圧が違うのはなぜですか?
緊張、測定時間、睡眠、喫煙、カフェインなどで血圧は変動します。健診の1回の値だけでは確定できません。診察室血圧が高く、家庭血圧または24時間血圧測定(ABPM)が高血圧基準未満なら白衣高血圧、診察室血圧が高血圧基準未満でも診察室外血圧が高ければ仮面高血圧です。繰り返した診察室血圧と診察室外血圧を比較して医師が診断します。
降圧薬を飲み始めたら、仕事を休む必要がありますか?
多くは通常どおり働けます。ただし、開始・増量後のめまい、立ちくらみ、失神などがある場合は、運転、高所作業、危険機械作業を一時的に避ける必要がないか主治医・産業医へ相談してください。薬は自己判断で中止しません。
会社は高血圧の社員に何を確認すればよいですか?
法定健診結果の通知・記録と、異常所見者について医師の意見聴取を行い、就業上の症状、配慮が必要な作業と期間を確認します。家庭血圧、精密検査、治療状況など法定健診の範囲を超える情報は、本人の同意を得て産業医・保健師等が必要な範囲で扱い、上司や一般の人事には必要最小限の就業情報だけを共有します。
参考文献
- 茨城労働局「一般定期健康診断の検査項目別有所見率(令和7年)」https://jsite.mhlw.go.jp/ibaraki-roudoukyoku/content/contents/002625203.pdf
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)別紙5・血圧の対応」https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001172507.pdf
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/urgency.html;総務省消防庁「救急車利用リーフレット(おとな)」https://www.fdma.go.jp/publication/portal/items/portal009_seijim.pdf
- 日本産科婦人科学会「妊娠高血圧症候群」https://www.jsog.or.jp/citizen/5709/
- 日本高血圧学会「血圧に関する大切なお知らせ」https://www.jpnsh.jp/topics/791.html
- 日本高血圧学会高血圧管理・治療ガイドライン委員会 編「高血圧管理・治療ガイドライン2025」;日本高血圧学会「『高血圧の日』について」https://www.jpnsh.jp/general_0517.html
- 日本高血圧学会「家庭で血圧を測定しましょう」https://www.jpnsh.jp/data/selfmonitoring.pdf
- 日本高血圧学会「自由行動下血圧測定(ABPM)ガイド」https://www.jpnsh.jp/abpmguide.html
- Gamboa Madeira S, et al. The Impact of Different Types of Shift Work on Blood Pressure and Hypertension: A Systematic Review and Meta-Analysis. Int J Environ Res Public Health. 2021;18(13):6738. PMID: 34201492. doi:10.3390/ijerph18136738
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」https://www.mhlw.go.jp/content/001195871.pdf
- 日本高血圧学会 減塩・栄養委員会「さあ、減塩!」https://www.jpnsh.jp/general_salt_02.html
- 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001223643.pdf
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第66条の3〜第66条の7 https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第51条・第51条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
- 厚生労働省「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」https://www.mhlw.go.jp/content/000922318.pdf
- 労働者健康安全機構「地域窓口(地域産業保健センター)」https://www.johas.go.jp/occ-health/regional-occ-health-centers/
- 厚生労働省「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc2624&dataType=1&pageNo=1
- 厚生労働省「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6319&dataType=1&pageNo=1











