職業レディネス・テストガイド|結果の見方・企業での活用法まで解説

この記事のポイント
- 職業レディネス・テスト(VRT)の目的から理論的背景、具体的な検査内容まで、公的機関の情報に基づき正確に理解できます。
- 個人での受け方から結果の正しい解釈、必須ツール「ワークシート」の活用法まで、5つのステップで実践的にわかります。
- 企業の新人研修や人材配置にVRTを活かす具体的な方法論や、医師の視点を加えたメンタルヘルスケアへの応用まで学べます。
「自分にはどんな仕事が向いているのだろう…」
「新入社員の配属は、どう決めればミスマッチがなくなるのか…」
キャリアに関する悩みは、社会人そして人材育成を担う立場の方々まで、多くの人が直面する課題といえるでしょう。
ただ、感覚や経験だけに頼った意思決定は、ミスマッチや後悔を生む原因にもなりかねません。
キャリア選択や人材配置での意思決定に役立つのが、客観的なデータから職業の興味や適性を判断できる「職業レディネス・テスト(VRT)」です。
この記事は、医師・労働衛生コンサルタント・臨床心理士の資格を持つ専門家の監修のもと、職業レディネス・テストに関するあらゆる疑問にお答えするガイドです。
職業レディネス・テストの基本的な意味や理論的背景から、受け方、結果の解釈まで、網羅的に解説します。
この記事を最後まで読めば、職業レディネス・テストを単なる診断ツールとしてではなく、ご自身の、あるいは組織の未来を豊かにするための「対話の羅針盤」として活用する方法が明確にわかるでしょう。
目次
- 1 職業レディネス・テスト(VRT)とは?AI時代になぜ重要性が増すのか
- 2 理論的背景:ホランドのRIASECモデルとは?6つの職業興味タイプを一覧で解説
- 3 ホランドの6つの興味領域(RIASEC)
- 4 職業レディネス・テストで何がわかる?A・B・C、3つの検査内容
- 5 職業レディネス・テストでわかること
- 6 【実践編】職業レディネス・テストの受け方と結果の活かし方|5つのステップ
- 7 結果の活用ワーク
- 8 【企業向け】人事戦略に活かすVRT導入・運用マニュアル
- 9 適性検査実施時の注意点
- 10 職業レディネス・テスト(VRT)の限界と高度なアプローチ|他の適性検査との比較
- 11 職業興味・適性検査の比較
- 12 職業レディネス・テストに関するよくある質問(FAQ)
- 13 まとめ:職業レディネス・テストはあなたのキャリアと組織の未来を照らす「対話の羅針盤」
職業レディネス・テスト(VRT)とは?AI時代になぜ重要性が増すのか
職業レディネス・テスト(VRT)とは、個人の職業への興味や価値観、自信の度合いを客観的に測定するための心理検査です。
診断結果を一方的に与えるのではなく、受検者自身が結果をもとに対話を重ねて自己理解を深める「きっかけ」の提供を目的としています。
主体的なキャリア形成が求められる現代において、重要性はますます高まっています。
参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)「職業レディネス・テスト(VocationalReadinessTest:VRT)」
参考:e-Gov法令検索「独立行政法人労働政策研究・研修機構法」
一言でいうと「自己探求と対話のきっかけを作る」心理検査
職業レディネス・テストで最も大切なポイントは、単に「向いている仕事」を診断するテストではないという点です。
テスト結果から「自分は何に興味があるのか」といった自己探求を促すことを目的としています。
そして、カウンセラーや上司などの支援者と、キャリアに関する建設的な対話につなげるために活用されます。
職業レディネス・テストから得られる結果は、自己理解と職業探索を始めるための「出発点」であることを理解しておきましょう。
開発元は厚生労働省所管の公的機関|信頼性の根拠
職業レディネス・テストは、厚生労働省が所管する独立行政法人「労働政策研究・研修機構(JILPT)」によって開発されました。
単なる性格診断ではなく、高い公共性と研究に基づいたアセスメントツールです。
日本全国の中学校や高校、ハローワークなどの公的機関で活用されており、信頼性の高いツールといえるでしょう。
なぜ今、職業レディネス・テストが重要なのか
終身雇用が当たり前ではなくなり、個人のキャリアは会社にゆだねるものから、自ら主体的に築いていくものへと変化しました。
そのため、自分自身の興味・価値観・強みを客観的に把握しておくことは、納得のいくキャリアを歩むためには欠かせません。
企業にとっても、採用した人材の早期離職は大きな損失です。職業レディネス・テストを活用することで、個人の特性を理解し、適材適所な配置や育成を行えます。
採用ミスマッチの防止や従業員エンゲージメント向上が期待でき、定着率を高める上で有効な施策となるでしょう。
理論的背景:ホランドのRIASECモデルとは?6つの職業興味タイプを一覧で解説
職業レディネス・テストの理論的な土台となっているのは、米国の心理学者ジョン・L・ホランドが提唱した「職業選択理論」です。
職業選択理論では、人々の職業興味は6つのタイプに分類できるとされており、それぞれの頭文字をとって「RIASEC(リアセック)モデル」と呼ばれます。
職業レディネス・テストを理解する上で欠かせない、この6つのタイプについて見ていきましょう。
参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)「職業レディネス・テスト(VocationalReadinessTest:VRT)」
あなたの興味はどのタイプ?RIASECモデル早見表
ホランドは、個人のパーソナリティと職場の環境を6つのタイプに分け、両者が適合しているほど、仕事への満足度やパフォーマンスが高まると考えました。
以下の表で、ご自身がどのタイプに当てはまりそうか確認してみてください。
ホランドの6つの興味領域(RIASEC)
| 領域コード | 領域名(日本語) | 特徴・キーワード | 代表的な職業例 |
|---|---|---|---|
| R | 現実的 (Realistic) | モノ、道具、機械を扱う、具体的、実践的 | エンジニア、整備士、農家、調理師 |
| I | 研究的 (Investigative) | 探求、調査、分析、科学的、論理的 | 科学者、研究者、医師、システムアナリスト |
| A | 芸術的 (Artistic) | 創造性、独創性、感性、自己表現 | デザイナー、音楽家、俳優、作家 |
| S | 社会的 (Social) | 人に奉仕、手助け、教育、協調性 | 教師、カウンセラー、看護師、人事担当 |
| E | 企業的 (Enterprising) | リーダーシップ、企画、説得、経営 | 経営者、営業職、コンサルタント、弁護士 |
| C | 慣習的 (Conventional) | ルール、手順、データ整理、正確性 | 公務員、経理、事務職、プログラマー |
複数のタイプの組み合わせで理解を深める
人の興味は、必ずしも1つのタイプに収まるわけではありません。
多くの場合、2〜3つのタイプの組み合わせで個性や適性がより立体的に見えてきます。
例えば、「社会的(S)」と「研究的(I)」の両方が高い人は、人の話を傾聴して助言するだけでなく、背景にある問題を分析し、論理的な解決策を考えることを得意とするかもしれません。
複数のタイプの組み合わせで自分の興味のパターンを捉えることが、自己理解を深める鍵となります。
職業レディネス・テストで何がわかる?A・B・C、3つの検査内容
職業レディネス・テストは、大きく分けて3つの異なる検査で構成されています。総合的に解釈することで、キャリアを考える上での多角的な情報が得られます。
職業レディネス・テストでわかること
| 検査項目 | 測定する内容 | これでわかること |
|---|---|---|
| A検査 | 職業興味 | どのような仕事の分野・活動に心を惹かれるか |
| B検査 | 基礎的志向性 | 仕事への基本的なスタンスや価値観 |
| C検査 | 職務遂行の自信度 | どの分野の活動に「できる」と感じているか |
参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)「職業レディネス・テスト(VocationalReadinessTest:VRT)」
A検査:何に「興味」があるか(職業興味)
A検査は、職業への興味を把握するための検査です。さまざまな活動内容に対して「興味がある」「どちらでもない」「興味がない」で回答します。
RIASECモデルにおける6つの職業領域のうち、どの領域に強い興味を持っているかを測定するものです。
そして、受検者がどのような仕事の分野や活動内容に惹かれるのかを客観的なデータとして把握します。
B検査:どんな「価値観」を持つか(基礎的志向性)
B検査では、受検者の価値観を示す「基礎的志向性」を測ります。基礎的志向性とは、日常生活の過ごし方に関する質問から、「データ(情報)」「ピープル(人)」「シング(モノ)」のどれに強く関心を持つ傾向があるかを示すものです。
以下のように、どの価値観を重視するのかといった仕事に取り組む際の基本的なスタンスがわかります。
- データ志向:論理的に物事を分析するのが好き
- ピープル志向:チームで協力したい
- シング志向:具体的なモノを扱う作業を好む
C検査:何に「自信」があるか(職務遂行の自信度)
C検査は、職務を遂行する自信の度合いを測定するものです。A検査と同じ活動内容について、「自信がある」「少し自信がある」「自信がない」で回答するもので、自信度を把握できます。それぞれの興味(やりたい)と自信(できる)は必ずしも一致しません。
例えば、A検査で「芸術的(A)」領域への興味が高くても、C検査での自信が低い場合、「クリエイティブな仕事は好きだが、プロとしてやっていく自信はない」という心理状態が推測されます。
「興味」と「自信」のギャップを知ることが、キャリアを考える上で非常に重要なヒントとなります。
「興味はあるが自信がない」分野が明確化されることで、今後の学習や経験によって成長できる可能性がわかるでしょう。
一方で、「自信はあるが興味がない」分野も見つかりますが、本人がまだ気づいていない強みかもしれません。発見した強みを別の職務で生かすなど、新しいキャリア選択のきっかけにもなるでしょう。
【実践編】職業レディネス・テストの受け方と結果の活かし方|5つのステップ
職業レディネス・テストは、受けて終わりでは意味がありません。
結果を正しく理解し、具体的な行動につなげることが重要です。
テストの入手から活用までの全プロセスを5つのステップで具体的に解説します。
ステップ1:入手・実施方法|どこで受けられる?(個人・団体)
まず重要な点として、職業レディネス・テストは市販されていません。
- 個人で受けたい場合:
地域のハローワーク(公共職業安定所)で、キャリア相談の一環として無料で受けられる場合があります。まずは最寄りのハローワークに電話で問い合わせてみるのがよいでしょう。
しかし、厚生労働省が提供するjob tagなら簡易版を無料で受けることができます。
- 団体(学校や企業)で実施する場合:
テストの販売・判定サービスを提供している「一般社団法人雇用問題研究会」を通じて、団体として申し込む必要があります。
検査は筆記形式で、実施時間はおおむね40分~45分程度です。
なお、雇用問題研究会から購入する場合の料金は、採点方法によって異なります。目安として、自己採点方式の検査用紙が1部400円前後です(2025年8月現在)。
正確な料金や団体割引については、必ず公式ウェブサイトで最新情報をご確認ください。
参考:一般社団法人雇用問題研究会「アセスメント・ツール::職業レディネス・テスト【VRT】」
ステップ2:採点方法|自己採点とコンピュータ判定の違い
採点には2つの方法があり、それぞれにメリットが存在します。
- 自己採点:
回答用紙に付属の手順に従い、自分で採点する方法です。すぐに結果がわかるのが最大のメリットといえます。 - コンピュータ判定:
回答用紙を雇用問題研究会に送付し、判定を依頼する方法です。3~4週間かかりますが、結果が見やすい個人票で返却されます。集団全体の傾向を分析できる資料も得られるため、一斉実施に適しています。
ステップ3:結果の解釈|最重要の「パーセンタイル順位」とプロフィールの形
テスト結果は「パーセンタイル順位」という数値で示されます。これは、同世代の100人の中で、低い方から数えて何番目にあたるかを示すものです。
一般的に、85パーセンタイル以上であれば、その領域への興味や志向性が「強い」と解釈されます。
しかし、単一のスコアの高さだけを見るのでは不十分です。6つのスコアのバランスを見ることが重要です。
特定の領域が突出している(起伏がある)ほど、興味の方向性が明確であるといえます。逆に平坦な場合は、まだ職業世界への関心が定まっていない段階と考えられます。
ステップ4:内省を深める|必須ツール「結果の見方・生かし方」ワークシート活用法
職業レディネス・テストの実効性を高めるために欠かせないのが「結果の見方・生かし方」というワークシートの活用です。
以下の4つのWORKを通じて、結果の数値から自己理解を深められます。
結果の活用ワーク
| ワーク | 内容 |
|---|---|
| WORK1 | 自身のRIASECプロフィールを確認し、興味と自信のパターンを把握する。 |
| WORK2 | 興味や自信が高い領域の職業リストを見て、知っている仕事と知らない仕事をチェックする。 |
| WORK3 | 最も興味のある職業について、具体的な仕事内容を調べる。 |
| WORKプラス | B検査の基礎的志向性と職業興味を結びつけ、多角的に自己理解を深める。 |
結果票を眺めるだけで終わらせてしまうと、テストの最も重要な価値を失うことになります。
ステップ5:次の一歩へ|VRT活用アクションプランシート【テンプレート付】
ワークシートで自己理解を深めたら、具体的な行動に移すことが大切です。
以下のオリジナルテンプレートを使って、自分だけの「アクションプラン」を作成してみてください。
【VRT結果活用アクションプランシート】
- 私の興味Top3(RIASEC):
- _________
- _________
- _________
- 自信のあること/これから伸ばしたいこと:
- (例)人と協力して何かを進めることには自信がある/データ分析のスキルはこれから伸ばしたい
- _________
- これから調べてみたい職業(3つ):
- _________
- _________
- _________
- 次の一歩(具体的なアクション):
- (例)〇〇業界で働く大学のOBに、今週末までに連絡して話を聞くアポイントを取る。
- _________
【企業向け】人事戦略に活かすVRT導入・運用マニュアル
職業レディネス・テストは、学生の進路指導だけでなく、企業の人材戦略においても効果的なツールとして活用できます。
人事担当者や経営者に向けて、職業レディネス・テストを組織的に導入し、採用ミスマッチの予防や人材育成につなげるための具体的な方法論を解説します。
導入目的の明確化と効果測定(KPI)の設定例
職業レディネス・テストの導入を成功させる最初のステップは、「何のために導入するのか」という目的を具体的に定義することです。
目的設定の例:
- 「新卒社員の配属後1年以内の離職率を、前年度比で10%削減する」
- 「若手社員との1on1ミーティングの質を高め、キャリア自律意識を向上させる」
目的が定まったら、達成度を測るためにKPI(重要業績評価指標)も設定しましょう。
KPI設定の例:
- 定量的KPI:新卒社員の1年後定着率、従業員エンゲージメントスコア、社内キャリアコンサルティング利用率
- 定性的KPI::研修後アンケートでの自己理解向上スコア、「キャリアに関する対話の質が向上した」という管理職・従業員の声
新入社員・管理職向け研修プログラム具体例
テストを実施して結果を渡すだけでは、従業員が自身のキャリア理解を深める効果は半減してしまいます。
必ず研修や面談とセットで実施することが重要です。例えば、以下のような研修を階層別に行いましょう。
【新入社員向け「キャリアデザイン研修」(1日)】
- 午前:職業レディネス・テストを実施、自己採点。キャリア自律の重要性に関する講義。
- 午後:ワークシートを用いた自己分析。グループで結果を共有し、他者からのフィードバックを通じて自己理解を深める。最後に「3年後のキャリアプラン」を作成し発表。
【管理職向け「部下のキャリア支援スキル向上研修」(半日)】
- 職業レディネス・テストの概要、RIASECモデル、結果の正しい見方についてのレクチャー。
- 部下へのフィードバック面談における注意点(傾聴、自己決定の尊重など)を学習。
- 職業レディネス・テストの結果を用いたキャリア面談のロールプレイングを実施し、実践的スキルを習得。
【重要】結果の取り扱いとプライバシー保護
職業レディネス・テストの結果は、個人の興味や価値観といった内面に関わる情報であり、個人情報保護法のもとで慎重に取り扱う必要があります。
不適切な取り扱いは、法的な問題だけでなく、従業員の会社に対する不信感にもつながります。導入にあたっては、以下の点を必ず遵守しましょう。
適性検査実施時の注意点
| 注意すべき項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的の明確化と同意取得 | 何のためにテストを実施し、結果を誰が、どのように利用するのかを事前に従業員へ説明し、必ず本人の同意を得ます。 |
| 開示範囲の限定 | 本人の同意なく、結果を第三者(例:所属部署以外の上長や同僚)に開示してはいけません。結果の閲覧権限は、本人と直属の上司、人事担当者など必要最小限の範囲に限定します。 |
| 安全な情報管理 | 検査結果は施錠できるキャビネットに保管する、あるいはアクセス制限をかけたサーバ上で管理するなど、物理的・技術的な安全管理措置を講じます。 |
以上のような倫理的配慮は、従業員が安心して自己開示を行い、建設的なキャリア対話を行うための大前提となります。
参考:特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会「キャリアコンサルタント倫理綱領」
【産業医の視点】リモートワーク環境下での活用とメンタルヘルスケア
リモートワークの普及により、上司が部下の様子を把握し、キャリア志向について雑談の中から知る機会は減少しました。
リモートワーク環境下で職業レディネス・テストは、オンラインの1on1ミーティングに「構造化された対話のフレームワーク」として活用可能です。
「職業レディネス・テストの結果で『I(研究的)』への興味が高いと出ていたけれど、今の業務で分析的な作業を増やすとしたら、どんなことができるだろう?」といった、具体的で建設的な対話が可能になります。
キャリアを前向きに考える対話は、従業員の孤立感の緩和やストレス軽減につながります。
ひいては、メンタルヘルス不調の予防や早期発見にも貢献するため、健康経営の視点からも有効なアプローチといえるでしょう。
職業レディネス・テスト(VRT)の限界と高度なアプローチ|他の適性検査との比較
職業レディネス・テストは優れたツールですが、万能ではありません。必要に応じて他のツールと組み合わせることで、より深みのある人物理解が可能になります。
VRT・GATB・VPIの違いと使い分け【比較表】
キャリアアセスメントツールには、VRT以外にもよく使われるものがあります。
それぞれの測定領域と目的を理解し、使い分けることが重要です。
職業興味・適性検査の比較
| 検査名 | 測定領域 | 主な対象者 | 目的・特徴 |
|---|---|---|---|
| 職業レディネス・テスト(VRT) | 興味・自信(パーソナリティ) | 中学生~大学生 | 職務内容への興味から自己理解を深め、職業探索のきっかけを作る |
| 一般職業適性検査(GATB) | 9つの適性能(能力・スキル) | 中学生~一般成人 | 事務処理能力や空間判断力など、潜在的な職務遂行能力を把握する |
| VPI職業興味検査(VPI) | 職業名への興味(パーソナリティ) | 大学生~一般成人 | 160の職業名から、より直接的に職業興味の傾向を把握する |
簡単に言えば、VRTは「何をしたいか」、GATBは「何が得意か」を知るためのテストです。
また、VRTが具体的な「活動内容」への興味を問うのに対し、VPIは「職業名」そのものへの興味を問うという違いがあります。
参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)「職業適性検査・職業興味検査」
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結果が平坦な(未分化な)場合の考え方
職業経験の少ない学生の場合、RIASECのプロフィールが特定の領域に突出せず、全体的に平坦な結果が出ることがあります。
結果から「興味がない」と解釈するのは誤りです。「まだ多くの仕事を知らないために、何に興味があるか自分でも分からない」状態を示唆している可能性が高いです。
結果の解釈を急ぐのではなく、まず多様な職業情報に触れる機会を提供しましょう。
【重要】外国人従業員への適用はNG|適切な代替ツールとは
職業レディネス・テストは、日本人の中高生を基準に作られているため、言語や文化背景が異なる外国人従業員に適用することは統計的に不適切であり、避けるべきです。
外国人従業員の適性を把握したい場合は、グローバル基準で設計された以下の代替ツールを検討してください。
- GSPI3(リクルートマネジメントソリューションズ):SPI3のグローバル版。英語、中国語など多言語に対応しています。
- CQI(グローバル採用適性検査):異文化適応力(CQ)を測定することに特化しています。
参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)「職業レディネス・テスト(VocationalReadinessTest:VRT)」
職業レディネス・テストに関するよくある質問(FAQ)
職業レディネス・テストに関してよくある疑問について、Q&A形式で説明します。
Q.職業レディネス・テストとは何ですか?
A.労働政策研究・研修機構が開発した、自己の職業への興味や自信を客観的に把握するための心理検査です。
ホランド理論の6領域(RIASEC)に基づき、自分と職業について考える材料を提供し、進路選択やキャリア形成を支援します。
Q.テストはどこで受検できますか?また、費用はかかりますか?
A.主に中学校、高校、大学などの教育機関や、ハローワークで実施されています。個人での購入はできず、団体を通じて申し込むのが一般的です。
ハローワークなどでは無料で受けられることが多いですが、費用は実施団体によって異なりますので、事前にご確認ください。
厚生労働省が提供するjob tagなら簡易版を無料で受けられます。
Q.結果はどのように解釈すればよいですか?
A.結果は6つの職業領域(RIASEC)などへの興味・自信の強さをパーセンタイル順位で示します。
単一のスコアだけでなく、全体のプロフィールの形を見て、自分の興味の傾向をつかむことが重要です。
必ず公式のワークシートを使い、結果を自己理解と職業探索の「きっかけ」として活用しましょう。
まとめ:職業レディネス・テストはあなたのキャリアと組織の未来を照らす「対話の羅針盤」
職業レディネス・テストは、社員の職業適性やキャリア志向を可視化し、より良い人材配置・育成を実現する手助けとなるでしょう。
とくに管理職や人事担当者にとっては、感覚だけでは判断しにくい「適性」や「課題」を整理するツールといえます。
うまく活用するために重要なのは、テストの結果を自己理解を深め、他者との対話を生むための「羅針盤」として使うことです。
人材の力を最大限に引き出し、組織の成長を加速させるために、職業レディネス・テストの活用を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
SUGARでは、管理職や従業員に向けた企業研修をご提供しています。職業レディネス・テストをはじめとした検査ツールを用いたキャリアマネジメント研修も実施可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
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職業レディネス・テストとは何ですか?
労働政策研究・研修機構(JILPT)が開発した、自己の職業への興味や自信を客観的に把握するための心理検査です。米国の心理学者ホランドの理論(RIASECモデル)に基づき、自分と職業について考える材料を提供し、学生の進路選択や社会人のキャリア形成を支援することを目的としています。
テストはどこで、費用はかかりますか?
主に中学校、高校、大学などの教育機関や、ハローワークで実施されています。一般の書店などでは販売されておらず、個人での購入はできません。ハローワークなどで受ける場合は無料で実施していることが多いですが、所属する学校や団体によって費用は異なるため、事前に確認が必要です。
結果はどのように解釈すればよいですか?
結果は6つの職業領域(RIASEC)への興味・自信の強さを「パーセンタイル順位」で示します。特定のスコアの高さだけでなく、6つのスコアが描くグラフ全体の「形」を見て、ご自身の興味の傾向を掴むことが重要です。結果票だけで判断せず、必ず公式のワークシート「結果の見方・生かし方」を使い、自己理解と職業探索の「きっかけ」として活用することが最も効果的です。
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