痛風発作の痛みは仕事ができないくらい痛い?対処法と予防法を解説
健康診断で高尿酸血症(尿酸値が高いこと)を指摘されて、心配している方もいるのではないでしょうか。
「痛風発作ってどんな症状なの?」
「痛風になりやすい人ってどんな人?」
「痛風発作が起こると仕事へも影響する?」
痛風発作は中年男性に多い高尿酸血症の症状の一つです。発作時は仕事が手につかなくなるほどの激しい痛みが1〜2週間続き、仕事に支障が出ることもあります。
本記事では次の5つを解説します。
- 痛風発作の症状
- 痛風になりやすい人
- 痛風発作の仕事への影響
- 痛風発作への対処法
- 痛風発作の予防法5つ
この記事を読むと、痛風発作の症状や対処法、予防法がわかります。痛風について理解して、ぜひ生活習慣の改善に取り組む参考にしてください。
痛風発作の症状
痛風発作は、血液中の尿酸値が高い場合などに、血液中に溶けていた尿酸が体温の低い関節などで結晶化し、体が異物と認識して炎症を起こすことで発症します。
痛風発作の関節症状は痛風関節炎とも呼ばれます。前日まで症状がなくても、突然患部が腫れて激痛が起こるのが痛風発作の特徴です。
発作が起こるの部位としては足の関節が多く、親指の付け根に症状が出るのが典型的です。
痛風になりやすい人
痛風になりやすい人は、以下のような人です。
- 肥満の人
- 食事が偏りがちな人
- 心身のストレスがある人
- アルコールをたくさん飲む人
レバー類や魚卵、一部の魚介類のほか、過度のアルコールなど、尿酸の原料になるプリン体を多く含む食事をとっている人、脂肪分の多い食事を好む人は痛風になりやすいといわれています。
体内でアルコールを代謝する時に尿酸を生じるため、アルコールをよく飲む人は痛風になりやすいです。とくにビールには多くのプリン体が含まれているので注意が必要です。
また、肥満度指数(BMI)や体脂肪率が高いほど尿酸値が高いことが報告されています。BMI 25未満を目標に体重をコントロールしましょう。
運動不足の人がいきなり激しい運動をしたり、ストレスをためたりしている人は、代謝異常で尿酸が排泄されにくくなる傾向があります。普段から規則正しい生活や十分な睡眠をとってストレスをためない生活を意識することが大切です。
参考:厚生労働省e-ヘルスネット「アルコールと高尿酸血症・痛風」
参考:金子 希代子, プリン体摂取と高尿酸血症のリスク, ファルマシア, 2021, 57 巻, 10 号, p. 887-891
痛風発作の仕事への影響
痛風発作は、痛みが治まるまで通常1~2週間程度かかります。
痛風発作が生じやすい箇所は、次のとおりです。
- 足の親指の付け根
- 足の甲
- 足首
- ひざ
- 手首
- ひじ
痛風発作が起こるのは1つの関節だけで、複数の関節で起こることはほとんどありません。また尿路結石や手足の関節、耳介に痛風結節ができることもあります。
痛風発作への対処法
痛風発作が起こったときは、以下のように対処します。
- 患部を心臓より高い位置に置いて固定
- 患部を適度に冷やす
- 痛め止めを飲む
マッサージ、運動、温めることは症状の悪化を招く可能性があり、逆効果です。
痛風発作の予防法5つ
痛風発作を予防するには、尿酸の数値を正常にコントロールする必要があります。以降では、痛風の治療のガイドラインを参考に痛風発作の予防法を5つ紹介します。
参考:一般社団法人日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」
予防方法1:高尿酸血症の治療を継続する
痛風発作中は患部を安静にして冷やし、禁酒し、炎症止め・痛み止めを服用します。痛風発作が治まったら、高尿酸血症の治療のために尿酸降下薬を服用します。
高尿酸血症の治療の目的は痛風発作と合併症の予防です。痛風発作が治っても原因である高尿酸血症を継続的に治療しなければ、発作を繰り返してしまいます。
また高尿酸血症を放置すると、尿路結石症や慢性腎臓病、メタボリック症候群を発症しやすいです。痛風発作が治っても、高尿酸血症の治療は必ず継続しましょう。
予防方法2:水分を多めにとる
高尿酸血症に合併しやすい尿路結石症の予防のために、1日2Lの尿を出すために十分な水分摂取が大事です。
水分摂取はカロリーのない水かお茶とし、アルコール飲料や糖分を含むジュースなどは控えましょう。
予防方法3:アルコールは控えめに
過度のアルコールは肥満の原因になったり、尿酸値の上昇につながるので控えましょう。飲酒する場合は、適量に留めることや休肝日をつくること、プリン体の少ないものを選ぶことを意識しましょう。
適量のアルコールの目安は、男性で日本酒1合、ビール350-500ml、ウィスキー60ml程度、女性はこれらの量の半分です。特にビールはプリン体を多く含むので、気をつけましょう。
※プリン体を含まないお酒を飲む場合でも、アルコールを代謝する際にプリン体が発生します。
予防方法4:定期的に有酸素運動をする
前述のとおり、突然の激しい運動は痛風発作を起こすことがあります。痛風発作を予防するためには、定期的なウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。
運動により減量ができればさらに予防効果は上がります。また、運動する場合には、脱水にならないよう水分補給にも気をつけましょう。
予防方法5:ストレスの解消
ストレスによって尿酸代謝が低下すると痛風発作を起こしやすいです。また、ストレスが多いとアルコールを飲む、過食するなど尿酸値を上げる行動が増える傾向があります。ストレスをためない生活を心がけましょう。
まとめ:尿酸値を下げて痛風発作を防ごう!
痛風発作は中年男性に多い高尿酸血症の症状の一つです。
発作は激しい痛みが1〜2週間続き、仕事に支障が出ることもあります。
痛風の症状や対処法、予防法を理解して、生活習慣の改善に取り組みましょう。