うつ病カウンセリング|効果や費用、選び方を医師・臨床心理士が解説

この記事のポイント
- うつ病カウンセリングは、薬物療法との併用で回復を促進し、再発予防にもつながる科学的根拠のある治療法です。
- 当事者だけでなく、ご家族や企業の担当者(人事・管理職)にとっても、それぞれの立場でできること、知っておくべきことがあります。
- 公的制度に加え、お勤め先の産業医・保健師への相談など、費用負担を軽減しながら専門家のサポートを受ける方法も解説します。
原因の分からない気分の落ち込みや興味の喪失、あるいは睡眠の質の低下など、うつ病の症状は本人にとって非常につらく、先の見えない不安を伴います。
専門家によるカウンセリングが有効な対策の一つと分かっていても、「本当に効果があるのか」「費用はどれくらいかかるのか」といった課題が、次の一歩をためらわせる要因になってはいませんか。
また、ご家族や職場の同僚の不調に気づきながらも、どう支援の手を差し伸べればよいか、その方法に悩む方も少なくありません。
この記事では、うつ病でカウンセリングを検討している本人の方に向けた具体的な始め方から、ご家族の関わり方、そして企業に求められる職場でのメンタルヘルス対策まで、網羅的に解説します。
この記事を最後まで読めば、漠然とした不安が晴れ、ご自身の状況に合わせて何をすべきか判断できるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
▼合わせて読みたい
目次
うつ病におけるカウンセリングとは?その効果と重要性

うつ病におけるカウンセリングとは、専門家との対話を通じて心の回復を目指す心理療法です。
うつ病の症状を和らげる薬物療法に対し、カウンセリングは思考や行動の癖といった根本的な課題に働きかけ、再発予防にも繋がる重要な治療の選択肢です。
カウンセリングがもたらす具体的な効果
カウンセリングは、単に話を聞いてもらう場ではなく、科学的根拠に基づいた構造的な治療プロセスです。
具体的には、主に以下の3つの効果が期待されています。
①孤立感の軽減と感情の整理
カウンセリングは、守秘義務が保証された安全な空間で提供されます。
誰にも批判されることなく自身の心の内を言葉にすることで、一人で抱え込んできた孤立感が和らぎます。
また、専門家との対話は、混乱した思考や感情を整理し、自身の苦しみの根本原因を客観的に見つめ直すための、重要な手がかりを与えてくれるでしょう。
②根本的な問題解決と再発予防
うつ病の背景には、その人特有の思考パターン(認知の歪み)や、対人関係におけるストレスが関わっているケースが少なくありません。
カウンセリングでは、こうした一人ひとりの課題にアプローチし、ストレスへの新しい対処法や、より健全なコミュニケーションの技術を学びます。
カウンセリングのプロセスが、症状の改善だけでなく、将来的な病気の再発を予防することにもつながります。
③薬物療法との相乗効果
うつ病の薬物療法によってある程度気力が回復した段階でカウンセリングを併用すると、うつ病の心理的な要因へ、より深くアプローチすることが可能になります。
事実、これまでの研究の中には、軽度から中等度のうつ病に対し、認知行動療法などの心理療法は薬物療法に匹敵する効果を報告しているものあります。
薬物療法と心理療法を組み合わせることで、治療効果をさらに高められると考えられています。
参考:厚生労働省 こころの耳「うつ病に関してまとめたページ」
うつ病の治療で行われる代表的な心理療法

うつ病のカウンセリングで用いられる心理療法は多岐にわたります。
その中でも、厚生労働省の治療ガイドラインなどでも推奨され、科学的に有効性が確立されている代表的な手法は次の表で説明している2つの方法です。
参考:厚生労働省「心の健康|うつ病の認知療法・認知行動療法(操作的治療マニュアル)」
①認知行動療法(CBT):考え方の癖にアプローチ
認知行動療法(CBT:Cognitive Behavior Therapy)は、ある出来事そのものではなく、出来事に対する個人の「認知(受け取り方やものの見方)」が感情や行動に影響を与える、という考えに基づいている心理療法です。
例えば、「仕事でミスをした」という出来事に対し、「自分は全くダメな人間だ」という思考が自動的に浮かぶと、気分はひどく落ち込み、何事にもやる気を失ってしまいます。
認知行動療法では、こうした無意識の思考のクセに光を当て、それが本当に現実的なのかを検証します。その上で、より柔軟でバランスの取れた考え方ができるように、専門家と共に練習していくアプローチです。
参考:厚生労働省「心の健康|うつ病の認知療法・認知行動療法(操作的治療マニュアル)」
②対人関係療法(IPT):身近な人間関係の問題に焦点を当てる
対人関係療法(IPT:Interpersonal Therapy)は、うつ病が「身近な他者との対人関係で生じる問題」と深く関連している、という考え方から発展した短期的な心理療法です。
具体的には、治療の焦点を以下の4つの領域に絞って問題解決を図ります。
- 大切な人との死別や離別(悲哀)
- 役割の変化(例:就職、結婚、昇進)に伴うストレス
- 家族やパートナー、同僚との意見の食い違い
- 社会的な孤立やコミュニケーションの課題
これらの対人関係の課題を一つずつ整理し、コミュニケーションのパターンを見直していくことで、うつ症状の直接的な軽減を目指すのが特徴です。
参考:厚生労働省「心の健康|うつ病の認知療法・認知行動療法(操作的治療マニュアル)」
うつ病のカウンセリングはどこで、誰に相談できる?

実際にカウンセリングを受けようと決めたとき、どこで、誰に相談すればよいのでしょうか。
ご自身の状況や希望に合わせ、最適な場所と専門家を選ぶことが大切です。
カウンセリングを受けられる場所の選択肢
カウンセリングは、主に以下の4つの場所で提供されています。
- 医療機関(精神科・心療内科): 医師による薬物療法などと並行して、治療の一環としてカウンセリングを受けられます。健康保険が適用される場合があるのが大きなメリットです。
- 民間のカウンセリングルーム: 心理カウンセラーが運営する施設です。医療とは少し離れた、リラックスした雰囲気でじっくり話したい場合に適しています。
- オンラインカウンセリング: 自宅からビデオ通話などでケアを受けられます。地理的な制約がなく、仕事で多忙な方でも利用しやすいのが利点です。
- 公的機関・無料相談窓口: 全国の精神保健福祉センターや市区町村の保健所などが、無料または低額の相談窓口を設けています。まず何から始めればよいか分からない、という場合に最初の一歩としてお勧めします。
カウンセリングを担う信頼できる専門家
カウンセリングは、高度な専門知識と訓練を受けた専門家によって行われます。
信頼できる専門家を選ぶ目安となるのが、以下の資格です。
- 公認心理師: 心理職における日本で初めての国家資格です。心理に関する支援を担う専門家として、幅広い分野で活動しています。
- 臨床心理士: 5年ごとの資格更新が義務付けられている、非常に専門性の高い民間資格です。長年にわたる実績と信頼があります。
カウンセラーを選ぶ際には、これらの資格を保有しているかどうかを、一つの重要な判断基準にしてみてください。
参考:e-Gov法令検索「公認心理師法 (平成27年法律第68号) 」
参考:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会. 「臨床心理士資格更新制度」
うつ病のカウンセリングの費用と保険適用、公的支援

カウンセリングを受ける上で、費用は重要な検討事項です。
ここでは、料金の目安と、経済的な負担を軽減するために活用できる公的な支援制度について解説します。
料金の目安と保険適用について
カウンセリングの料金は、健康保険が適用されるかどうかで大きく異なります。
保険適用の場合
精神科や心療内科などで、医師が治療の一環として行うカウンセリング(通院精神療法など)は、医療保険の対象です。この場合、自己負担は原則3割で金銭的負担が少なく受けられることがメリットです。
ただし、保険診療では、長くても30分未満であることや、クリニックでは保険診療のカウンセリングを提供している医療機関が多くはないということがデメリットです。
自費(保険適用外)の場合
民間のカウンセリングルームや多くのオンラインサービスは、自由診療のため保険が適用されません。料金相場は、1回50分あたり5,000円〜15,000円程度が一般的です。
デメリットとしては、金銭面の負担が保険適応の場合よりも大きいことです。しかし、1回のカウンセリングの時間も長く、自由診療でのカウンセリングの提供をしている機関が多いことがメリットです。
費用負担を軽減する「自立支援医療制度」
自立支援医療(精神通院医療)制度は、うつ病を含む精神疾患の治療のために、継続的な通院が必要な方の医療費自己負担を軽減する公的な支援制度です。
この制度を利用すると、保険適用される医療費の自己負担が原則として1割にまで軽減されます。
精神科での診察代や薬代はもちろん、精神科以外での医師の指示によるカウンセリングなども対象となる場合があります。利用を希望する場合は、お住まいの市区町村の担当窓口で申請手続きを行ってみてください。
【企業の福利厚生】産業医・保健師への相談も選択肢に
お勤めの企業に産業医や産業保健師がいる場合、従業員の特権である福利厚生の一環として、心身の不調について無料で相談できます。
保健師や産業医に相談する企業内制度は、医療機関を受診する前の第一歩として、また費用をかけずに専門家の意見を聞くための非常に有効な選択肢です。
産業医や保健師は守秘義務を遵守するため、相談内容が本人の同意なく人事評価などに影響することは決してありません。職場の状況を理解した専門家から、客観的なアドバイスや初期の支援を受けられる点は、大きなメリットと言えるでしょう。
【実践編】自分に合うカウンセリングの見つけ方・受け方(当事者の方へ)

カウンセリングの効果を最大限に引き出すためには、ご自身に合ったカウンセラーを見つけ、主体的にケアに取り組む姿勢が重要になります。
そのための具体的なステップと心構えを解説します。
信頼できるカウンセラーを選ぶ3つのポイント
カウンセラーとの相性は、治療効果を左右する重要な要素です。
以下の3つのポイントを参考に、焦らずじっくりと選ぶことをおすすめします。
- 資格と専門性を確認する
まずは「公認心理師」や「臨床心理士」といった信頼性の高い資格の有無を確認しましょう。
加えて、ウェブサイトなどで、うつ病や職場のメンタル問題など、ご自身の悩みの領域に関する支援経験が豊富かどうかもチェックします。
- 料金体系と倫理観を確認する
料金体系が明確に提示されているか、極端に高額・低額でないかを確認します。
また、専門職団体が定める倫理綱領や守秘義務について、誠実な説明がなされているかも、信頼性を見極める上で大切な情報です。
- 「話しやすい」と感じる相性を確かめる
最も重要なのが、カウンセラーとの人間的な相性です。
研究でも、カウンセラーとの良好な信頼関係(治療同盟)が、治療効果に大きく影響すると報告されています。
初回面接などを「お試し」と捉え、「この人になら安心して話せそうだ」と感じられるかどうかの直感やフィーリングを大切にしてください。
カウンセリングを受ける上での心構えと注意点
カウンセリングは回復への非常に有効な手段ですが、「受ければすぐに解決する」という魔法の杖ではありません。
効果を最大限に引き出すためには、以下の点を理解しておくことが大切です。
- 効果には時間と個人差があること
回復のペースは人それぞれです。
効果を実感するまでには数ヶ月単位の時間が必要な場合も少なくありません。
焦らず、長期的な視点で取り組むことが重要です。
- 受け身の姿勢だけでは進まないこと
カウンセリングは、カウンセラーが一方的に答えを与える場ではありません。
カウンセラーとの対話を通じて、自分自身の課題に気づき、学んだことを日常生活で実践していくという、主体的な参加姿勢が治療効果を大きく左右します。
- 合わないと感じたら変更を検討すること
前述の通り、カウンセラーとの相性(治療同盟)は治療の土台です。違和感を持ちながら続けることは効果的ではありません。
カウンセラーとの違和感を担当者に正直に伝えたり、カウンセラーの変更を申し出たりすることは、より良い治療を受けるための正当な権利です。
違和感を伝えた上で、なぜ「合わない」と感じたのか考えてみるとともに、必要時はカウンセラーの交代を相談しましょう。
参考:厚生労働省「心の健康|うつ病の認知療法・認知行動療法(操作的治療マニュアル)」
初回カウンセリングの準備と心構え:「何を話せばいい?」
「うまく話さなければ」と気負う必要は全くありません。カウンセラーは対話を通じて考えを整理する専門家であり、会話を適切にリードしてくれます。
もし不安な場合は、以下の点を簡単にメモしておくと、ご自身の気持ちの整理に役立ち、相談しやすくなるでしょう。
- 今、一番つらいと感じていること
- 具体的な症状(眠れない、食欲がない、集中できない など)
- いつ頃から、どんなきっかけで症状が始まったか
- カウンセリングを通じてどうなりたいか(漠然とした希望で十分です)
完璧に話すことではなく、安心して自分のペースで対話の場にいることが何よりも大切です。
焦らず、自分のペースでカウンセラーに現在の気持ちや本音を相談してみてください。
【実践編】本人を支える関わり方(ご家族・パートナーの方へ)

ご家族がうつ病になったとき、周囲の方々も「どう接すればよいのか」と悩み、大きなストレスを感じるものです。
ここでは、心身の不調が生じている当事者の本人へ支援するための適切な関わり方と、ご家族自身のケアについて解説します。
本人を追い詰めない接し方とNGワード
良かれと思ってかけた言葉が、かえって本人を追い詰めてしまうことがあります。
最も大切なのは、本人のつらい気持ちに共感し、安全な避難場所となることです。
- 心がけたい接し方:
- じっくり話を聴く: 結論を急かしたりアドバイスしたりせず、「つらいんだね」と気持ちを受け止める姿勢が支援の第一歩です。
- 十分な休養を促す: 「頑張らなくていいんだよ」と伝え、安心して休める環境を整えることに専念しましょう。
- 重要な決断をさせない: 判断力が低下しているため、転職や離婚といった大きな決断は病気が回復するまで先延ばしにするよう促します。
- 避けるべきNGワード:
- 「頑張れ」: ご本人は、すでにこれ以上なく頑張りすぎて疲れ果てています。
- 「気の持ちようだ」「誰でもつらいことはある」: 病気のつらさを軽視し、本人をさらに孤立させてしまいます。
- 原因を追及する言葉: 「なぜそうなったの?」という問いは、本人を責めているように響いてしまう可能性があります。
受診を促すときや、カウンセリングを嫌がるときの対応
本人が不調を認めず、受診やカウンセリングを拒否することもあります。このような場合に、無理強いをすることは逆効果になりかねません。
まずは「眠れていないみたいで心配だ」「あなたのことが大切だから、一度専門家に相談してみない?」と、「私が」心配しているという気持ち(Iメッセージ)を主語にして伝えることを試してみてください。
本人が相談を拒む状況が続くようであれば、ご家族が先に専門機関へ相談することが、事態を打開する有効な一手となり得ます。
専門家から本人への適切な接し方について助言を得られるだけでなく、何より支援するご家族自身の心の負担を軽くするセルフケアにもつながるためです。
【実践編】職場での対応と法的責任(企業の人事・管理職の方へ)

従業員のメンタルヘルス不調は、個人の問題に留まらず、企業の生産性や法的リスクにも直結する重要な経営課題です。
ここでは、管理職や人事担当者に求められる具体的な職場での対応を解説します。
管理職の重要な役割「ラインケア」とは
ラインケアとは、部長や課長といった管理職が、部下の日常的な変化にいち早く気づき、相談対応や職場環境の改善を行う一連の取り組みです。
このラインケアは、労働安全衛生法で企業に課せられた「安全配慮義務」を果たす上で、現場の最前線における重要な役割を担っています。
部下の不調に気づくためのサイン
日頃から部下の様子に気を配り、以下のような「いつもと違う」サインに気づくことが、早期対応の第一歩となります。
- 勤怠の変化: 遅刻、早退、欠勤が増える。
- 業務上の変化: 集中力の低下、ミスや報告漏れの増加、残業時間の急な増減。
- 様子の変化: 表情が暗い、口数が減る、身だしなみが乱れる。
適切な声のかけ方と専門家への橋渡し
部下の不調のサインに気づいたら、プライバシーに最大限配慮した上で、客観的な事実を元に声をかけます。
- 良い声かけの例: 「最近、残業が続いているようだけど、業務量は大丈夫だろうか」「先日の会議で少し元気がないように見えたけれど、何か気になることはあるかな」
- 避けるべきこと: 憶測で「うつ病じゃないか」と決めつけたり、「頑張れ」と安易に励ましたりすることは厳禁です。
相談を受けた際は、話を遮らずに傾聴に徹することが大切です。
その上で、管理職が一人で抱え込まず、社内外の専門家へつなぐ「橋渡し役」に徹することが、最も重要で適切な対応と言えます。
社内外の相談窓口の活用と復職支援プロセス
従業員が安心して相談できる体制を整え、休職から復職までを計画的に支援することが、企業のリスクマネジメントと従業員の健康確保の両面から求められます。
社内相談窓口(産業医・産業保健師)の役割
産業医や産業保健師は、従業員が利用できる最も身近な社内の専門家です。管理職が部下から相談を受けた際の連携先となるだけでなく、従業員が直接相談することも可能です。
無料で利用でき、職場の事情を理解した上でのアドバイスがもらえる点は、企業内相談窓口ならではの大きなメリットです。
外部相談窓口EAP(従業員支援プログラム)の活用
EAPとは、企業が契約する外部のカウンセリングサービスです。従業員は会社に知られることなく、完全に匿名で利用できるため、社内の人間には話しづらい内容でも安心して相談できます。
EAPはラインケアを補完し、従業員のセルフケアを促進する有効な対策として、導入する企業が増えています。
休職から復職までの支援プラン(リワークプログラム)
従業員の復職の判断は、主治医の診断書を参考にしつつ、産業医との面談を経て、最終的に企業が行います。
復職後は、短時間勤務や業務負荷の軽減といった、段階的な支援プラン(リワークプログラム)を本人・主治医・産業医と密に連携しながら作成します。
このプロセスが、再発を防ぎ、円滑な職場復帰を実現するための鍵となります。
▼合わせて読みたい
【FAQ】うつ病のカウンセリングのよくある質問

最後に、うつ病のカウンセリングに関して、社員や労務関係者などの皆様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. オンラインと対面、どちらのカウンセリングが良いですか?
A. それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが良いかは個人の状況によります。
オンラインは自宅から受けられる手軽さや料金の安さが魅力です。一方、対面は表情や仕草といった非言語的な情報が伝わりやすく、より深い対話がしやすいと考えられています。
ご自身の多忙さやプライバシーへの希望などを考慮し、ご自身が「話しやすい」と感じる形式を選ぶのが良いでしょう。
Q2. カウンセリングはどのくらいの期間・頻度で通うのですか?
A. 目的や症状の重さによって大きく異なりますが、一般的には、治療の初めは1〜2週間に1回程度のペースで通い、状態が安定するにつれて間隔を空けていくケースが多いでしょう。
例えば認知行動療法の場合、16〜20回程度のセッションを一つの目安とすることが多いですが、これも個人差があります。
担当のカウンセラーと相談しながら、最適なプランを決めていくことになります。
Q3. カウンセラーとの相性が合わないと感じたら、変えてもいいですか?
A. もちろん問題ありません。むしろ、違和感を持ちながらカウンセリングを続けることは、効果的ではありません。
カウンセラーとの信頼関係は治療の土台です。まずは感じていることを正直にカウンセラーに伝えてみるのも一つの方法ですが、それが難しい場合は、遠慮なくカウンセラーの変更を申し出ましょう。
最適なサポートを見つけるための大切なプロセスだと考えてみてください。
Q4. 守秘義務はどこまで守られますか?
A. カウンセラーには厳しい守秘義務が課せられており、相談内容が本人の同意なく外部に漏れることは決してありません。
ただし、例外として、ご本人または他者の命に危険が差し迫っている場合(自傷他害の恐れ)や、法律で定められた義務がある場合(児童虐待など)に限っては、安全確保のために、関係機関へ連絡することが義務付けられています。
守秘義務については通常、最初のカウンセリングで説明されることが多いですが、説明がない場合には確認してみてください。
カウンセリングと並行して取り組むセルフケアの重要性
専門家によるカウンセリングは回復への強力な支えとなりますが、治療効果を高めて再発を防ぐためには、日常生活におけるセルフケアも同様に重要です。
カウンセリングで学んだことを実践するとともに、以下のような取り組みをご自身のペースで意識することが、心身の健康の土台を再構築する助けとなります。
- 生活リズムの安定化
可能な範囲で、毎日同じ時間に起床し、朝日を浴びることを心がけましょう。
良質な睡眠は気分の安定に直結することが知られています。
- 軽い運動の習慣化
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動には、気分の改善や不安の軽減に効果があることが多くの研究で示されています。
無理のない範囲で体を動かす習慣は、再発予防にもつながります。
- リラクゼーション技法の活用: マインドフルネス瞑想や漸進的筋弛緩法、呼吸法などは、ストレス反応を和らげ、自分の心の状態に気づく練習になります。これらはカウンセリングの中でスキルとして学ぶこともあります。
これらのセルフケアは、カウンセリングの効果を補完し、あなた自身が持つ「回復する力」を高めるための大切な要素です。
参考:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「快眠と生活習慣」
▼合わせて読みたい
まとめ:一人で抱え込まず、専門家の力を借りて次の一歩
この記事では、うつ病のカウンセリングについて、当事者、ご家族、そして企業の担当者という様々な視点から、その効果や支援制度、具体的な実践方法までを網羅的に解説しました。
うつ病は、適切な治療とサポートがあれば、回復への道筋を見つけることができる病気です。カウンセリングは、回復への道のりを照らし、ご自身の力で歩んでいくのを支える強力なツールとなり得ます。
もし今、一人でつらい気持ちを抱えているなら、あるいは大切な人のために何ができるか悩んでいるなら、どうか一人で抱え込まず、専門家へ相談するという最初の一歩を踏み出してみてください。その行動が、状況を好転させる大きな力になるはずです。
最後に、社内で産業医や保健師などによる相談窓口の設置について検討されている場合には、ぜひSUGARにお気軽にお問い合わせください。
うつ病のカウンセリングは本当に効果がありますか?
はい、効果が期待できます。特に認知行動療法などの手法は、うつ病の原因となる考え方の癖を修正し、症状の改善や再発予防に有効であることが多くの研究で示されています。薬物療法と併用することで、より高い治療効果が見込めます。
カウンセリングの費用はどのくらいかかりますか?保険は使えますか?
費用は1回50分で5,000円~15,000円が相場です。原則として自由診療で保険適用外ですが、医療機関で医師の指示による特定の治療の場合は保険が適用されることがあります。また、自立支援医療制度を使えば自己負担を1割に軽減できる場合もあります。
カウンセリングでは、具体的に何を話せばいいのでしょうか?
無理にうまく話そうとする必要はありません。「今一番つらいこと」や「眠れない、食欲がない」といった具体的な症状からで大丈夫です。カウンセラーが質問をしながら、あなたの気持ちや考えを整理する手助けをしてくれます。
家族がうつ病で、カウンセリングを嫌がります。どうすればいいですか?
無理に本人を連れて行くのは逆効果になることがあります。まずはご家族自身が相談窓口やカウンセリングを利用し、専門家から本人への接し方のアドバイスをもらうのが有効です。ご家族がサポートを受けることで、本人の状況も良い方向へ向かうことがあります。
オンラインカウンセリングと対面カウンセリング、どちらが良いですか?
それぞれにメリットがあります。オンラインは自宅から気軽に受けられ費用も抑えめですが、対面は非言語的な情報が豊かで深い対話がしやすいです。ご自身の状況や話しやすさ(匿名性を重視するか、直接会いたいかなど)に合わせて選ぶのが良いでしょう。
SUGARでは毎週水曜日に産業保健や健康的経営に関する記事を公開しております。
こちらのメルマガで記事等の公開情報をお送りしますので、是非ともご登録ください。









