カウンセリングとコーチングはどう違う?手法や効果の違いを解説!
コミュニケーションを活用したメンタルサポートには、カウンセリングやコーチングがあります。信頼関係を礎にして悩みを解決していくプロセスである点は共通していますが、違いが分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、カウンセリングとコーチングのどちらを受ければいいか迷う人に向けて、手法や効果の違いについて解説します。
カウンセリングとコーチングの違いとは?
カウンセリングもコーチングも、対話をベースとして相談者をサポートする点は共通しています。では、両者はどのように異なるのでしょうか。
カウンセリングとは?
カウンセリングとは、専門的なスキルを持ったカウンセラーが行う、対話をベースとした相談援助を指します。カウンセラーは相談者の悩みを否定することなく傾聴し、抱えている問題を整理することが主な流れです。相談内容の一例としては、次のような悩みが挙げられます。
- 学校や職場に馴染めず、うつ状態になってしまった
- 感情のコントロールができず、周囲とトラブルになる
- 相手の反応を気にしすぎて、不安を感じやすい
コーチングとは?
コーチングとは、相談者の目標達成をサポートする関わりを指します。具体的には、質問や承認により、相談者が新たな気づきを得て自発的に行動できるようサポートします。コーチングで扱う内容の一例としては、次のようなものが挙げられます。
- 自分のやるべきことが分からない
- コミュニケーション能力を向上させたい
- 仕事にやりがいを見つけたい
カウンセリングとコーチングの手法の違い3つとは?
カウンセリングとコーチングは、相談者の内面を扱う類似した相談援助ですが、手法には違いがあるといえます。具体的に、どのような点が異なるのでしょうか。
目的:回復vs目標達成
カウンセリングとコーチングの手法には、目的の違いがあります。カウンセリングはメンタルヘルス不調のように落ち込んだ状態からの回復が主な目的です。一方、コーチングは、目標達成が目的であるという違いがあります。
相談の流れ:過去重視vs未来志向
相談の流れにおいて異なるのが、過去を重視するか未来志向で進めるかといった時間軸の違いです。
カウンセリングでは、悩みの背景には過去にどのような経験が影響しているのかを整理し、問題の原因を探ることが多いといえます。対して、コーチングは「どうなりたいのか」を明確にして、未来と現状とのギャップを埋めるための行動を考えます。
アプローチ:傾聴vs行動促進
カウンセリングとコーチングには、悩みへのアプローチ方法の違いがあります。カウンセリングで重視するのは、安心して話してもらうことです。カウンセラーが相談者の身になって悩みを傾聴することで、「分かってもらえた」「これでいいんだ」という自己肯定感を育みます。
一方、コーチングは、目標に対して必要な行動を促すアプローチを重視します。自分の成長のためには何が必要かを考え、実行することをサポートする関わりが中心です。
カウンセリングが効果的な人は?
3つの違いがあるカウンセリングとコーチングですが、「どちらを受ければいいのか?」と悩む人もいるのではないでしょうか。選択する際の参考として、まずはカウンセリングが効果的な人について解説します。
周りに話しにくい悩みがある
周りに話しにくい悩みがある人はカウンセリングが効果的です。カウンセラーは、相談者の話を無条件に肯定する態度を重視するため、基本的に否定をしません。「悩みを打ち明けると変に思われるのでは…」という心配が強い場合は、安心して話しやすいといえます。
自分の考えや感情を整理したい
考えや感情を整理してストレスを溜めないようにしたいという人にも、カウンセリングがお勧めです。人それぞれ、考え方の癖や秘められた感情があり、普段の生活では意識されることはあまりありません。
考え方の癖や感情に気づき、ストレスがかかりにくい捉え方に修正していくことで、精神面の回復や健康度の向上が期待できます。
コーチングが効果的な人は?
カウンセリングは、「安心して話せる相手が欲しい」「精神的健康を回復したい」という人に効果的だといえます。では、コーチングはどのような人に効果的なのでしょうか。
現状に不満があり、何かを変えたい
現状に何らかの不満を抱えており、変えていきたいという希望を持つ人には、コーチングが効果的だといえます。コーチングは設定した目標をゴールとして、行動を変容させていくプロセスです。
現状に何らかの変化を起こそうとすることは、これまでの自分を否定する側面を含むため、何らかの抵抗が起きやすいといえます。抵抗に打ち勝つほどの変化へのモチベーションがある人は、コーチングから気づきを得て、人生をより豊かにできるでしょう。
自分で考え行動できるようになりたい
コーチングは、1から知識や技術を教授するティーチングとは異なり、自分で答えを出していくプロセスであることが特徴です。そのため、「コーチから良い考えを教えてもらいたい」という姿勢ではなく、自分で考え行動する主体的な態度が重要です。
主体性を重視するということは、「相談者が考えてください」と放任しているのではありません。コーチが「相談者は自力で解決できる力を持っている」と信頼しているからなのです。信頼感を受け取りつつ、主体的に行動できる人には、コーチングは効果的だといえます。
まとめ:カウンセリングはマイナスからゼロへ、コーチングはゼロからプラスへ
カウンセリングは傷ついた状態から回復することを目指し、コーチングは現状をより豊かな未来に変えるといった違いがあります。どちらを受けるか迷った場合には、今回紹介した目的や効果の違いを理解して、自分に合った方法を選ぶとよいといえます。