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朝起きられないのはストレス?起きられない原因や病気との関連は?

朝起きられないのはストレス?起きられない原因や病気との関連は?

「夜更かしして朝起きるのがつらい…」

「アラームをかけても目が覚めずに遅刻した…」

朝起きられないという悩みは、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。しかし、「やる気がでない」「身体が動かない」といった症状がある場合、何らかの病気が隠れているかもしれません。

職場においては、遅刻や欠勤、日中のパフォーマンス低下など、生産性に影響する問題です。メンタルヘルス対策を充実させるためにも、朝起きられない症状を正しく理解し、適切な対処をとることが大切といえます。

本記事では、朝起きられない症状の4つの原因と会社ができる3つの対策を紹介します。「起きられない」という問題を正しく理解し、社員にとって望ましい対処をとっていきましょう。

ストレスで朝起きられないことはある?

ストレスで朝起きられないことはある?

「会社に行きたくない」など心理的な原因が明らかであるときは、ストレスが影響している可能性が高いでしょう。ストレスにより緊張状態になるため、睡眠の質の低下や不眠が生じ、朝起きられなくなるケースがあります。

ただ、「アラームをかけても目が覚めない」「目が覚めているのに身体が動かない」といった原因がわからない場合もあります。その場合は、ストレスが蓄積し、睡眠障害やうつ病、起立性調節障害などの何らかの異常が生じているかもしれません。専門的な治療が必要かもしれません。

朝起きられない4つの原因

朝起きられない4つの原因

朝起きられないのは、どのような原因によるのでしょうか。考えられる4つの原因について解説します。

原因①:睡眠の質が悪い

睡眠の質が悪く熟睡感を得られない場合は、目が覚めてもすぐに起きにくいでしょう。多くの場合は、睡眠前にスマートフォンを見ていたり入眠直前に入浴したりして睡眠の質を下げる生活習慣が原因です。

一方で、睡眠障害によって気づかないうちに睡眠の質が低下している可能性もあります。睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群は深い眠りを妨げ、夜中に目が覚めやすくするとされています。睡眠中の無呼吸状態や足の違和感がないか、注意しましょう。

原因②:睡眠リズムが乱れている

睡眠リズムの乱れも、朝起きられない症状の原因となります。睡眠リズムが乱れる睡眠障害が概日リズム睡眠障害です。

人間の体内時計はおよそ25時間で、太陽の光や食事、運動などの刺激によって24時間に調整される仕組みです。調整には、朝日を浴びることがとくに重要です。

睡眠リズムが乱れる原因となるのは、休日の寝だめです。休日に平日より2時間以上遅く起床していると睡眠の質が悪化し、日中の過度な眠気を引き起こす可能性があります。休日もできるだけ同じ時刻に起床できるよう心がけることが大切です。

参考:Journal of Sleep ResearchVolume 32, Issue 2「Association of social jetlag and eating patterns with sleep quality and daytime sleepiness in Japanese high school students」

原因③:うつ病をはじめとした精神疾患がある

意欲の低下や倦怠感などのうつ病の症状によって起きられなくなる場合があります。また、過眠症状や体が重く感じるなどの典型的でない症状がみられることもあるでしょう。気分の落ち込みや食欲の変化などが同時に生じている場合はうつ病であるかもしれません。

また、季節の変化も抑うつ症状を引き起こし、起床を難しくさせる一つの原因です。冬になると日照時間が減り、睡眠リズムが乱れることもあります。詳しくは、冬季うつ病について解説した以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:冬季うつ病でやる気が出ない?仕事に行けないのはセロトニンが原因!

原因④:ストレスや不安により自律神経が乱れている

ストレスや不安による自律神経の乱れから、朝起きられなくなる場合があります。自律神経のバランスが崩れ、交感神経優位となることで睡眠の質が低下することによります。

代表的な例が、立ち上がったときに血圧が上がりにくいために体を起こせない起立性調節障害です。思春期に多いことが特徴ですが、大人になってから発症したり、発症後に成人してからも持続したりするケースがあります。

参考:月刊心臓2021年7月号「起立不耐症・起立性調節障害の実態調査分析」(PDF)

朝起きられない社員へ会社ができる3つの対策

朝起きられない社員へ会社ができる3つの対策

社内に朝起きられない社員がいたとき、会社としてどのような対策をとればよいのでしょうか。3つの対策を紹介します。

対策①:睡眠に関する正しい知識を伝える

社員に向けて睡眠に関する正しい情報を発信し、質のよい睡眠やリズムが乱れないよう、予防的な取り組みを行うことが大切です。具体的には、以下のような睡眠衛生に関する知識を周知するとよいでしょう。

参考:国立精神・神経医療研究センター「睡眠障害・睡眠問題に対する支援マニュアル―保健師・対人援助職向け―」(PDF)

アルコールや喫煙

アルコールは睡眠の質を低下させ、喫煙は神経を刺激して寝つきを悪くするため、就寝前は控えることが望ましいでしょう。具体的には、飲酒はベッドに入る4時間前、喫煙は2時間前までに控えると影響が出にくいとされています。

食事

消化が終わっていない状態で眠ると睡眠の質が低下するため、夕食はベッドに入る3時間前までに済ませておくのが理想的です。3時間前に済ませるのが難しい場合は、脂肪分が多い食物を避け、炭水化物を中心に摂ると睡眠を妨げにくいでしょう。

運動

ベッドに入る5~6時間前に30分ほどの有酸素運動を行うと睡眠の質が良くなるとされています。一方で、激しい運動は睡眠を妨げる可能性があるため、就寝前に行わないようにしましょう。

入浴

一般的な睡眠リズムの仕組みとして、身体の深部体温が下がることで眠気が生じるとされています。深部体温を下げるのに重要なのが入浴です。ベッドに入る1~2時間前に20分ほど湯につかるとよいでしょう。長風呂や熱い湯につかると目が覚めてしまうため、注意が必要です。

また、手足の冷え性があると、熱がこもって深部体温が下がりにくくなります。そのため、冷え性を改善すると寝つきがよくなる可能性があるでしょう。

睡眠環境

眠るときの環境も、質のよい睡眠には大切です。小さな光やスマートフォンの通知音などでも多くの人は起きてしまうため、光や音の出るものはしまっておくとよいでしょう。また、寝室の室温は暑すぎると寝苦しく、少し寒い環境の方が睡眠には適しているとされています。

対策②:就業形態について産業医に相談する

起きられない原因がうつ病である場合、午前中は調子が悪く夕方に意欲が回復してくるという特徴がみられがちです。調子に合わせて、フレックスタイム制や時短勤務への変更を検討することも必要です。

しかし、フレックスタイム制を適用すると生活リズムが整いにくくなるケースもあります。状態が悪化しても遅刻とみなされず、病状が把握しづらいという問題も起きやすいでしょう。そのため、産業医に意見を聞き、社員の病状に応じて就業形態を決定することが求められます。

対策③:精神科・心療内科への受診をすすめる

朝起きられない症状の原因が睡眠障害やうつ病である場合、精神科や心療内科での治療が必要でしょう。うつ病の場合は、抗うつ薬を中心とした薬物治療に加え、一定期間の休養が必要なケースが多いです。

睡眠障害の場合は、検査を行ってどのような睡眠障害があるかを判断し、治療を行います。検査には一泊入院が必要なケースもあるため、睡眠障害専門の医療機関の受診が必要です。以下の日本睡眠学会認定の医療機関を社員に情報提供すると、スムーズな受診につながります。

参考:日本睡眠学会「日本睡眠学会専門医療機関」(PDF)

まとめ:朝起きられないのはやる気の問題だけではない

まとめ:朝起きられないのはやる気の問題だけではない

「朝起きるのがつらい」という症状は、「やる気の問題だ」「なまけているだけだ」と捉えられやすいでしょう。しかし、やる気を出そうとしても起きられないときには、ストレスが限界に達し、精神面や自律神経の問題があるかもしれません。

朝起きられず遅刻を繰り返す社員がいたら、何らかの問題が生じている可能性を考慮できる体制があれば、根本的な解決に近づくでしょう。

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