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感染症の社員が企業に与える影響とは?予防と感染発生時の対策を解説

コロナ禍以来、マスクや手洗いは私たちの生活に定着しました。冬になると、季節性インフルエンザも流行します。そのような中で次のような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

「感染症対策が職場や企業で必要な理由は?」

「感染症に社員がかかったら職場は何をするの?」

「感染症から社員を守るために職場や企業が取るべき対策って?」

社員が感染すると家族やほかの社員、取引先への感染も心配されます。また、人員が減るので、ほかの社員への業務の負担が大きくなったり、業務の進捗が遅れたりする可能性があります。そのため、職場や企業全体で感染症対策に取り組むことが必要です。

本記事では、職場や企業で行う感染症対策に関して、必要な理由や取るべき対策、発生した場合に行うべきことについて解説します。チーム全体で行う場合の特徴を理解し、正しい感染症対策を行いましょう。

感染症対策が職場や企業で必要な理由3つ

感染症が拡大しないようにするには、一人ひとりが確実に対策を取ることが必要です。しかし、個人でする対策には限界があります。感染症や伝染病が大流行しても、企業が健全に経営を維持していくためには、「企業がチームで感染症対策」をすることが必要です。

ここでは、感染症対策が職場や企業で必要な理由を解説します。

理由1:感染症拡大は予測不能であるため

どのように感染が拡大するのかを予測するのは簡単ではありません。とくに、新型ウイルスの流行の場合は、どのような症状なのか、どのようなふるまいをするのかが不明なので、感染拡大の状況を予測するのは非常に困難です。

2020年から始まった新型コロナウイルスも、当初は季節性ウイルスであるとされていました。しかし、ウイルス活動が活発になる夏が終わり、冬がきても終息せず、変異ウイルスが何度も登場するなど、感染は世界各地に広がる傾向が続きました。

とくにウイルスの性質がよくわからない状態では、影響について過少評価するのではなく、しっかりと対策することが不可欠です。

理由2:企業に法的責任があるため

企業には、労働者が生命や身体などの安全を確保しつつ労働できるよう、必要な配慮をする、法的な責任があります。これは、安全配慮義務と呼ばれています。

参考:労働契約法|第五条 安全配慮義務

企業の感染症対策が不十分だったために、社員が感染したり感染が拡大する場合には法的責任を問われることもあるでしょう。したがって、企業は感染症対策をしなければなりません。

理由3:企業に社会的責任があるため

さらに、企業には社会的責任もあります。

緊急事態は突然発生するので、そのような場合に、事業の継続・早期復旧が可能なようにしておくと、市場関係者の信用や評価につながります。BCP(事業継続計画)とは、企業が緊急時に損害を最小限に抑え、事業継続や早期復旧を可能にする方法などを決める計画のことです。

BCP対策を推進する、つまり、緊急事態にも事業を継続することが企業の社会的責任です。

感染症から社員を予防するために職場や企業が取るべき対策3つ

感染症から社員を予防するためには、職場や企業はどのような対策を取ればよいのでしょうか。職場や企業は「職場環境を整備する」「健康診断結果や産業医の意見などを基に健康状況を把握する」「ワークスタイルを工夫する」の3つの対策をすることが大切です。

対策1:職場環境を整備する

職場の感染症対策としては、人との物理的距離を保つ作業環境の設定と管理が最重要です。WHOは「フィジカルディスタンシング」と述べており、具体的な対策は以下のとおりです。

  • 机にパーテーションを設ける
  • エレベーター利用を制限する
  • 人が並ぶ場所には足元に表示を貼る
  • 会議室、喫煙室、休憩室の利用人数を制限する
  • 外部のものが入室する場合の対応を決める(人数や場所)

職場や企業では、消毒や換気についても対策を実施します。感染症予防のために職場や企業が行う消毒や換気についての取り組みとして、挙げられるのは以下のことです。

  • 気温や湿度を適切に管理
  • 社内の換気(常にドアを開放)
  • アルコール消毒液を各フロアや各出入口に設置
  • ドアノブや設備機器、ボタンなどを定期的に消毒

職場や企業全体で、取り組めるように工夫してみてください。また、ドアやボタンのタッチレス化や顔認証の導入も有効です。必要に応じて検討することをおすすめします。

対策2:健康診断結果や産業医の意見などをもとに健康状況を把握する

毎年の健康診断結果を有効に使い、産業医の意見を聞いて社員の健康状態を把握するように努めましょう。また、感染を疑う症状が出た場合は「出勤しない・させない」を徹底して、かかりつけ医などの身近な医療機関へ電話相談するように周知します。

加えて、感染症が重症化するリスクの高い社員に対し、感染予防のために就業上の配慮も行います。感染症が重症化するリスクが高いのは以下のような社員です。

  • 高齢の社員
  • 基礎疾患のある社員
  • 一部の妊娠後期の社員

基礎疾患等として挙げられるのは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満、喫煙などです。

参考:厚生労働省|(2023年4月版)新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(PDF)

ワクチン接種することで、重症化予防効果が期待できるので、産業医からすすめてもらうのもいいでしょう。

対策3:ワークスタイルを工夫する

社員の感染防止と事業継続を両立させるために、ワークスタイルの工夫が求められます。以下のような取り組みにより、社員が安全・安心に業務を遂行できるようにしましょう。

  • 在宅勤務
  • 時差出勤
  • フレックスタイム導入
  • オンライン会議の活用
  • 出張、外勤の取り扱いを決める
  • 公共交通機関以外(社有車、自家用車など)での通勤を認める

職場や企業の業務内容によっては上記のような対応が難しいことも想定されます。しかし、できることから、できる社員から始めることが大切です。

感染症に社員がかかったら職場や企業が行うべきこと4つ

社員が感染症にかかったら、職場や企業は何を行えばよいのでしょうか。「社員には出社停止を求め、医療機関の受診を推奨」し、必要に応じて「濃厚接触者や接触者のリストアップと健康状態の観察」、「報告」、「消毒・清掃」の実施が求められます。

行うべきこと1. 社員には出社停止を要請し、医療機関の受診を推奨

感染症に社員がかかった、もしくは疑う症状があると連絡を受けたら、仕事ができる状態でも出社は控えるように求め、医療機関を受診するように伝えます

しかし、体調不良の通院や治療については社員の意思次第なので、企業が強いることはできません。社員本人へ「医療機関を受診する」ように伝えるのみにします。

行うべきこと2. 濃厚接触者および接触者のリストアップと健康状態の観察

社内で感染者が出た場合、「濃厚接触者および接触者の有無」を確認しなければなりません。濃厚接触者および接触者に該当しそうな人がいないか、本人を含めた社員からヒアリングします。

該当社員の就業時間内の勤務状況を確認しながら、以下のことを調べます。

  • だれと会ったか
  • 隣に座っていたのはだれか
  • 取引先との面談はあったか
  • ランチ・会食をともにしたか
  • 会議の同席や車の同乗などはあったか

できれば、濃厚接触者ではないけれども、接触者である人もリストアップできるとよいでしょう。

リストアップが終わったら、該当社員へ対応しなければなりません。対応方法は職場や企業の判断次第ですが、濃厚接触者の健康を守り、かつ社内の感染拡大を防止するため、出勤停止などの対応をとることが望ましいでしょう。

症状のない社員を休業させる場合は、休業手当を支払う必要があります。濃厚接触者を休業させる場合も不備がないように注意してみてください。

参考:厚生労働省|4労働者を休ませる場合の措置

行うべきこと3. 取引先・社内への報告

取引先・社内への報告は、検査して感染が確定してから行うようにします。疑いの段階で連絡すると、混乱させてしまう場合があるからです。検査結果が出たらすぐに動けるように準備しておくことをおすすめします。

取引先の規模や業務内容によって、与える影響も違ってきます。現在の状況を伝えて「保健所から連絡がいく可能性がある」ということを伝えておくとよいでしょう

同時に社内にも、該当社員のプライバシーへ配慮しつつ、事実を伝えます。併せて、今後の感染対策や事業継続についてなど、企業の対応方針も伝えておくことが重要です。

行うべきこと4. 社内の消毒・掃除

取引先・社内への報告が済んだら、感染拡大を防ぐために社内の消毒をします。付着したウイルスはしばらくは生存(コロナウイルスであればプラスチックの表面で72時間)といわれています。

そのため、実施時期は、ウイルスが活性化して存在している間(コロナウイルスは陽性判定から3日以内)に行うのが有効です。

一般的にはデスクやドアノブ、食堂などの共用部を消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムで消毒していきます。ただし、消毒する人がウイルスに感染することがないように、細心の注意を払いましょう。

消毒剤はウイルスに対して有効であれば何でも使えます。濃度70%以上95%以下のエタノールか、家庭用漂白剤の次亜塩素酸ナトリウムが入手しやすいでしょう。次亜塩素酸ナトリウムは0.05%の濃度になるように薄めて拭き、その後で水拭きします。

なお、空気中に噴霧しても効果はなく反対に人体に有害の可能性があるので、空気中に漫然と噴霧することは控えてください。

まとめ:企業や職場は感染症対策にチーム全体で取り組む必要がある

感染症の拡大は予測が不可能です。企業や職場は法的・社会的責任を果たすために、感染症対策にチーム全体で取り組む必要があります。

具体的な方法としては、職場環境を整え、社員の健康状態を把握、ワークスタイルを工夫するなどが挙げられます。

ぜひ本記事の内容を参考にして、職場や企業の特徴を理解して効果的に感染症対策を行いましょう。

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