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ストレスチェックに従業員が引っかかったら?その後の流れと6つの対応

ストレスチェックに従業員が引っかかったら?その後の流れと6つの対応

ストレスチェックは、従業員を常時50人以上雇用している企業に実施の義務が課せられています。ストレスチェックの結果、高ストレスを示した従業員の希望があれば、企業側は産業医との面接指導を設定する必要があります。

しかし、高ストレス者への対応や取組に不安を感じている企業は多いのではないでしょうか。

本記事では、従業員がストレスチェックに引っかかったらどうすればいいのかについて解説します。人事や総務などのストレスチェック担当者は、ぜひ参考にしてください。

ストレスチェックにおける高ストレス者の判定基準とは?

ストレスチェックにおける高ストレス者の判定基準とは?

高ストレス者とは、ストレスチェックにおいてストレスの度合いが高いと判定された人のことを言います。高ストレス者の判定は、ストレスチェックを実施するもの(医師など)により、下記の項目の評点を総合的に評価して実施されます。

  • 心身のストレス反応の項目において評価点が高い人
  • 心身のストレス反応の項目の合計評価点が高い、かつ仕事のストレス要因および周囲のサポートの項目の評価点の合計が高い人

なお、どの従業員を高ストレス者に判定するかの基準は、各々の事業所によって評価基準を決定することが可能です。

例えば、厚生労働省が公表している評価基準は、事業所全体の10%が高ストレス者になるよう設定されています。しかし、事業所の状況に合わせて評価基準を変更できます。

参考:厚生労働省「数値基準に基づいて「高ストレス者」を選定する方法」(PDF)

参考:厚生労働省労働基準局安全衛生部 労働衛生課産業保健支援室 「労働安全衛生法に基づく ストレスチェック制度 実施マニュアル」(PDF)

高ストレス者に対する企業側の3つの義務

高ストレス者に対する企業側の3つの義務

高ストレス者は、心理的に不安定な状態に陥っている場合が多いです。また、本人にとって無自覚なケースもあるでしょう。

しかし、メンタルの不調によって、仕事のパフォーマンスが低下したり、休職などの必要が生じたりする場合もめずらしくありません。

パフォーマンスの低下や休職などを防ぐためにも、企業側は高ストレス者に対して、適切な対応を行う必要があります。

企業の義務①ストレスチェックの結果について本人に伝える

ストレスチェックを受けた従業員に対して、企業側はその結果を通知しなければなりません。しかし、実際に通知できるのは企業の担当者ではなく、人事権のないストレスチェックの実施者(医師や保健師、精神保健福祉士等)である必要があります。

また、通知すべき項目は、必須項目と推奨項目に分けられます。

必須項目は、個人のストレスプロフィール(ストレスの傾向や特徴等)とストレスの程度(高ストレス者に該当するかどうか)、面接指導の対象者か否かが通知されます。

一方、推奨項目には、セルフケアのアドバイスと面接指導の申し出方法が記載されると覚えておきましょう。

企業の義務②産業医に面接指導を依頼する

従業員への通知の結果、高ストレス者に該当していた従業員は産業医に面接指導を希望することが可能です。つまり、従業員より面接指導の申し出が企業にあった場合は、面接指導を受けさせる義務があります

企業側は従業員の個人情報を産業医に伝えても良いかどうかを従業員に確認したうえで、すみやかに面接の場を設ける必要があります。また、面接指導は、原則的に1か月以内に設定しなければなりません。

参考:厚生労働省「ストレスチェック制度導入ガイド」(PDF)

企業の義務③面接指導の結果を共有し、今後の対策を検討する

従業員が産業医からの面接指導を受けた後は、産業医より企業側に面接指導による意見書が共有されます。この意見書を参考に、企業側は従業員の今後の勤務時間や仕事環境等の調整を検討してください。

企業側は、産業医の意見書に必ず従う義務はありません。しかし、それを放置したがゆえに従業員に健康被害が起こった際などは、損害賠償請求の問題に発展する可能性もあります。

そのため、企業側は真摯に問題を受け止めて、従業員がより良い働き方ができるよう今後の措置を取ることが期待されます。

高ストレス者が面接指導を希望しない理由も理解しておく

高ストレス者が面接指導を希望しない理由も理解しておく

産業医への面接指導は、高ストレス者に該当した従業員が希望したときのみ、企業側は面接指導の場を設定できます。

しかし、中には高ストレス者であっても、面接を希望せずにそのまま放置する従業員も少なくありません。

そのため、企業側は面接指導を希望した従業員のみが高ストレス者に該当すると思い込むことは危険だと言えるでしょう。企業側は、面接指導を希望したいけれども行動に移せない従業員の理由を、しっかりと把握しておく必要があります。

面接指導を受けるメリットが伝わっていない可能性がある

ストレスによる不調は、自分に欠点がある、単なる甘えだと捉えてしまう従業員もいます。つまり、ストレスは自分自身でコントロールし、他人(産業医等)に指導を受けるものではないと思っているかもしれません。

また、面談に何のメリットがあるのかも分からないと感じている可能性も考えられます。

しかし、自分自身や身近な人ではなく、社外の人物や第三者だからこそ相談しやすいこともあることを従業員に伝えてみてください。

高ストレス者の個人情報が洩れることで不利益が生じるのを心配している

面談指導を受けると、自分のメンタルの不調や悩みが他人(同僚等)に伝わってしまうのではないかという不安がある人もいます。

また、自分に関する情報が洩れることで、部署内での人間関係が悪化、人事考課への悪影響、仕事への支障などを恐れる人もいます。

しかし、産業医面談を受けることや意見書の内容をもとに、従業員に対して不利益な取り扱いを行うことは禁止されているため、産業医面談を受けることにより不利益が生じることはないということを事前に伝えましょう。

参考:厚生労働省「ストレスチェック制度導入ガイド」(PDF)

企業が高ストレス者に対して出来る3つの取組

企業が高ストレス者に対して出来る3つの取組

面接を希望しようとしない従業員は、決してめずらしくはありません。

しかし、高ストレス者にとって風通しの良い職場を作るためには、企業がいくつかの工夫をする必要があります。

企業の取組①メンタルヘルス研修を取り入れる

メンタルヘルスに関する知識や予防・対処法について理解が不足している管理職や従業員は少なくありません。その影響で、メンタルヘルスの不調は不都合なものだと捉えてしまう可能性があるでしょう。

管理者や従業員の意識を変化させるためには、メンタルの不調は誰にでも起こりうることで、適切な予防や対処をすれば緩和や回復が期待できるものだという点を学ぶことが大切です。

そのため、定期的に企業内でメンタルヘルス研修を開催することをおすすめします。

企業の取組②高ストレス者の個人情報を守るシステムを作る

ストレスチェックの結果は、企業側ではなく実施者によって結果が通知されます。しかし、高ストレス者が面接指導を希望する場合は、企業側に申し出る必要があるのです。

ただ、企業の窓口に口頭で申し出るには、勇気のいる従業員も多いと言えます。なぜなら、窓口の人と申し出た人が顔見知りのケースもあるため、個人情報を直接知られることに抵抗を感じる場合もあるからです。

面接指導の申し出の方法は、口頭だけではなく、オンラインでも可能にするなど顔を合わせずに済むシステムを作ることが重要になります。

企業の取組③社外の相談窓口や医療機関などを案内する

個人情報がしっかりと守られたとしても、社内で面接指導等を受けるのは控えたい従業員も多くいます。そういう人のために、企業は社外で相談を行っている窓口に支援を委託したり、医療機関を案内する努力も大切になります。

社内の相談窓口以外の場所だと、指導を受けていることが社内の人の目に留まることが少なくなるでしょう。

結果、従業員自身も安心してメンタル不調の改善に専念することが期待できます。

まとめ:従業員がストレスチェックに引っかかっても対処法は多様

まとめ:従業員がストレスチェックに引っかかっても対処法は多様

企業側は、従業員が高ストレス者に該当した場合、今後どのように対処すれば良いか不安を感じるかもしれません。

しかし、従業員がストレスチェックに引っかかっても、効果的な対処法は幅広くあります。

高ストレス者に対する様々な対応や取組を着実に進めることで、長期的な企業業績の向上や成長につなげてみてください。

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