貧血と仕事の両立ガイド|ドクターストップの基準から会社の対応まで

貧血で悩む従業員を企業全体でサポートするイメージ

この記事のポイント

  • 貧血だけでなく、その前段階である「隠れ貧血」も含め、仕事に影響する症状と原因を網羅的に解説します。
  • ドクターストップの判断基準となるヘモグロビン値の目安と、業務内容に応じた考え方を具体的に説明します。
  • 従業員が利用できる公的制度(傷病手当金)と、企業が果たすべき法的責任(安全配慮義務)の両方を網羅します。

「階段を上るだけで息が切れる」
「大切な会議なのに、頭にモヤがかかったように集中できない」
「健康診断では異常なしと言われたのに、なぜか常にだるい」

こうした原因不明の不調は貧血や一歩手前の「隠れ貧血」のサインかもしれません。

部下から貧血の相談を受けた管理職や健康管理を担う人事担当者も判断に迷う場面は少なくありません。たとえば、「どこまで就業に配慮すべきか」「貧血で仕事を休ませるドクターストップの基準がわからない」などの悩みはつきないでしょう。

本記事では、貧血に関する基礎情報から業務で配慮する基準、具体的な対応フローまでを網羅的に説明しています。状況に合わせて「次に何をすべきか」が明確になるような内容ですので、参考にしてみてください。

▼ YouTubeチャンネルでは動画による解説を発信!(2025年8月4日公開予定)

目次

貧血とは?仕事に影響する症状と主な原因

体内を流れる赤血球

貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)濃度が低下し、全身の細胞へ酸素を十分に供給できなくなった状態です。

めまいだけでなく倦怠感や集中力低下など、仕事の生産性や安全性に直接関わる症状を引き起こします。

原因は鉄分不足が主ですが、見過ごされがちな「隠れ貧血」や、他の病気が隠れている可能性にも注意が必要です。

貧血の概要

貧血の概要

トピック ポイント
①貧血の医学的定義 全身が「酸欠状態」になることで、様々な不調が起こる。
②多様な原因 鉄不足が主だが、他の病気が隠れている可能性も。
③仕事への影響 集中力低下や気分の落ち込みなど、精神面にも影響する。
④隠れ貧血という課題 健康診断では見つからない不調の原因になり得る。

参考:WHO「Anaemia」

参考:健康日本21アクション支援システムWebサイト「Hb/血色素量」

単なる「めまい」ではない貧血の医学的定義

貧血とは、医学的に「血液中のヘモグロビン(Hb)濃度が基準値を下回った状態」を指します。

ヘモグロビンは、肺で取り込んだ酸素を全身の細胞に届ける、いわば「酸素運搬トラック」のような役割を担っています。ヘモグロビンの数が減ると、体の隅々の細胞まで十分な酸素が供給されません。

全身が酸欠状態に陥り、めまいや立ちくらみだけでなく、仕事のパフォーマンスを著しく低下させる不調を引き起こします。

なぜ起こる?鉄欠乏だけではない貧血の多様な原因

貧血が起こる原因の多くは、ヘモグロビンの主な構成要素である鉄分が体内で不足する「鉄欠乏性貧血」です。

特に、女性は鉄分の需要と供給のバランスが崩れやすいことから、鉄欠乏性貧血になりやすいとされています。月経により定期的に血液が失われたり、妊娠・授乳期には胎児の成長や母乳に血液が必要なためです。

一方で、貧血の原因は鉄不足だけではありません。

  • ビタミンB12や葉酸の不足
  • 腎臓の病気による造血ホルモンの低下
  • 関節リウマチなどの慢性的な炎症
  • 胃がんや大腸がんなど、消化管からの出血を伴う悪性腫瘍

以上のような原因によっても、貧血が生じる可能性があります。重篤な病気が隠れている可能性もゼロではないため、「いつものこと」と自己判断で済ませるのは危険です。

参考:Hess SY, Owais A,Jefferds MED,Young MF,Cahill A,Rogers LM. Accelerating action to reduce anemia: Review of causes and risk factors and related data needs. Ann N Y Acad Sci, 2023;1523(1):11-23. 

参考:Socha DS, DeSouza SI,Flagg A,Sekeres M, Rogers HJ. Severe megaloblastic anemia: Vitamin deficiency and other causes. Cleve Clin J Med. 2020;87(3):153-164.

見逃せないサイン!集中力低下や倦怠感も貧血の症状

貧血が体に発する警告サインは、めまいや動悸だけではありません。

以下のような症状は、職場の生産性や安全に直接影響を及ぼす可能性があります。

  • 身体的なサイン:顔色が悪い、動悸や息切れ、頭痛、耳鳴り、朝起きるのがつらい
  • 精神的なサイン::集中力や記憶力の低下、気分の落ち込み、イライラ感
  • その他のサイン:爪がスプーンのように反り返る、氷を無性に食べたくなる(異食症)

特に、集中力の低下や気分の落ち込みといったメンタル面の不調は、貧血が原因と気づかれにくい傾向があります。

本人の意欲の問題と誤解されがちですが、身体的な課題が心にも影響を与えているのです。

【要注意】健康診断で異常なし?原因不明の不調は「隠れ貧血」かも

「健康診断のヘモグロビン値は正常なのに、なぜか常にだるい」という場合は、「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)」かもしれません。

隠れ貧血は、生産性低下(プレゼンティーズム)の原因にもなり、決して軽視できません。

詳しいメカニズムと対策は、こちらの記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

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貧血でドクターストップが出る数値の基準は?

医師が患者に検査結果の説明をしている。

ドクターストップの判断は、主にヘモグロビン(Hb)の数値に基づいて行われます。

明確な一律の基準はありませんが、Hb値が7.0g/dL未満の「重度貧血」では休業となる可能性が高いです。

ただし、数値だけでなく、運転業務などのリスクが高い仕事内容も考慮され、中等度貧血でも就業制限がかかることがあります。

就業判定における貧血の評価ポイント

就業判定における貧血の評価ポイント

要素 ポイント
①客観的な数値 定期健康診断でも用いられる「ヘモグロビン(Hb)値」が最も重要な指標。
②重症度のレベル分け Hb値によって軽度・中等度・重度に分類され、仕事への影響度が変わる。
③業務リスクとの掛け合わせ 数値だけでなく、業務の危険度を総合的に評価して最終判断される。

判断の鍵は「ヘモグロビン(Hb)値」

定期健康診断の血液検査などで貧血を判断する際、重要な指標が「ヘモグロビン(Hb)値」です。

ヘモグロビン値は、医師や産業医が就労の可否や配慮事項を判断する際の基準の一つです。

一般的な貧血の診断基準は以下のとおりです。

  • 成人男性:13.0 g/dL未満
  • 成人女性:12.0 g/dL未満
  • 妊婦・高齢者:11.0 g/dL未満

数値を下回った場合、医学的に「貧血状態」と判断されます。

参考:日本臨床検査医学会「36.貧血」

【レベル別】ヘモグロビン数値ごとの重症度の目安

貧血は、ヘモグロビン値によって重症度が分類されます。

重症度によって、仕事への影響度も変わります。

  • 軽度貧血(男性Hb13.5g/dLまで、女性Hb10~12g/dL):自覚症状が少ないこともありますが、潜在的な生産性低下のリスクがあります。
  • 中等度貧血(Hb8~9.9g/dL):動悸・倦怠感が顕著になり、業務遂行に支障が出始めます。適切なケアが必要です。
  • 重度貧血(Hb6.5~7.9g/dL):安静時でも症状が出現し、心不全のリスクも伴います。就業継続は困難な状態です。
  • 生命を脅かす貧血(Hb6.5 g/dL未満):複数の血液成分が著しく低下している状態で、就業継続は極めて困難です。

一般的に、Hb値が7.0g/dL未満の「重度貧血」と診断された場合はドクターストップ(就業制限・就業不可・要休職)となる可能性が高くなります。

参考:Anemia: General Considerations – Anemia and Other Nonmalignant Blood Disorders – Hematology – Diseases – McMaster Textbook of Internal Medicine.

数値だけじゃない!業務内容で変わるドクターストップの判断基準

ドクターストップの判断は、ヘモグロビン値だけで決まるわけではありません。

本人の自覚症状や業務内容の危険度を掛け合わせて総合的に評価されます。産業医が現場で特に重視するのは、「数値」と「業務リスク」の掛け合わせです。

以下に、あくまで目安の参考モデルを示します。なお、ヘモグロビン値と就業配慮を直接結びつける画一的な科学的根拠は現時点で確立されていません。

しかし、私たちSUGARでは、多くの企業支援の経験から以下の表のようなモデルを参考に、個々の従業員の状況や企業の事例に合わせて、ヘモグロビン値と業務リスクに応じた就業措置の判断を支援しています。

ヘモグロビン値に応じた就業措置の目安

ヘモグロビン値に応じた就業措置の目安

ヘモグロビン(Hb)値 デスクワーク・軽作業 立ち仕事・軽度の身体作業 重筋作業・重量物運搬 業務用車両運転・高所作業・重機操作
男性: 10.0-12.9 g/dL
女性: 10.0-11.9 g/dL
(軽度貧血)
通常勤務可
自覚症状があれば産業医面談・保健指導を推奨。
通常勤務可
産業医面談・保健指導を推奨。
長時間労働の制限を検討。
作業負荷の評価と、必要に応じた作業時間の就業制限を検討
産業医面談・保健指導必須。
症状があれば一時的に業務から外す就業制限を検討
産業医面談・保健指導必須。
自覚症状の有無を慎重に確認。
男女共通:
7.0-9.9 g/dL
(中等度貧血)
時間外労働の原則禁止や制限を検討
産業医面談を強く推奨。
受診勧奨と治療の確認。
要就業制限
作業時間の短縮、休憩の頻回化などの配慮が必要。
原則、当該業務は禁止推奨
軽作業への一時的な業務転換を推奨。
原則、当該業務は禁止推奨
治療によりHb値が改善し、安全性が確認されるまで配置転換を強く推奨。
男女共通:
< 7.0 g/dL
(重度貧血)
就業不可(要休業)も視野に産業医面談で要配慮
緊急の医療機関受診を指示。治療に専念させる。
原則、当該業務は禁止
就業不可(要休業)も視野に産業医面談で要配慮
緊急の医療機関受診を指示。治療に専念させる。
原則、当該業務は禁止
就業不可(要休業)も視野に産業医面談で要配慮
緊急の医療機関受診を指示。治療に専念させる。
原則、当該業務は禁止
就業不可(要休業)も視野に産業医面談で要配慮
緊急の医療機関受診を指示。治療に専念させる。

注1:表はあくまで目安です。業務リスク別の判断について、現時点では明確な基準について明確な科学的根拠はありません。最終的な判断は、個々の従業員の自覚症状、貧血の進行速度、基礎疾患の有無などを総合的に勘案し、産業医や主治医と調整する必要があります。

表で示した例のように、同じヘモグロビン値8.0g/dL(中等度貧血)でも、デスクワーク中心の方と高所作業や自動車の運転業務を行う方とでは状況が異なります。

高所作業や自動車の運転業務を行う従業員の就業配慮の場合、企業が判断すべきリスクの重みが違います。

高所作業や運転業務では、ほんの一瞬のめまいや意識の低下が、本人や第三者の生命を脅かす大事故に直結しかねないため、入念な配慮をすることが推奨されます。

【従業員向け】貧血で仕事を休む前に知るべきこと

貧血で休職する従業員が傷病手当金の申請手続きをしている

貧血の症状が悪化し休職を検討する際は、正しい手順と利用可能な制度を理解することが重要です。医療機関への相談から、休職中の生活を支える「傷病手当金」の活用、会社への報告と診断書の提出まで、事前に知っておくべきポイントを解説します。

貧血と診断された後のアクション

貧血と診断された後のアクション

アクション ポイント
①医療機関への相談 まずは内科や婦人科を受診し、専門家の診断を受ける。
②公的支援の活用 休職中の生活費を支える「傷病手当金」制度について知る。
③企業への報告 医師の診断書を基に、上司や人事部に速やかに報告・相談する。
④詳細手続きの確認 具体的な申請手順は、専用の記事でさらに深く理解する。

まずは何科へ?貧血の相談・受診の流れ

健康診断で貧血を指摘されたり自覚症状があったりする場合は、まず医療機関を受診することが第一歩です。

一般的には「内科」で問題ありませんが、月経との関連が疑われる女性は「婦人科」の受診も選択肢として考慮しましょう。

受診の際は、「いつから、どんな症状で、仕事にどう影響しているか」を伝えられるよう、事前にメモを準備しておくと診察がスムーズに進みます。

休職中の生活を守る「傷病手当金」とは?

医師から「労務不能」と診断されて会社を休むことになった場合に活用できる公的制度が「傷病手当金」です。

傷病手当金は、加入している健康保険の法律に基づき支給されます。

申請には医師と会社が記入する書類が必要になるため、まずは会社の担当部署や健康保険組合に確認してみましょう。

参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

参考:e-Gov 法令検索「健康保険法 」

会社への報告と診断書の提出について

医師から休養が必要と診断されたら、速やかに直属の上司や人事部に報告することが社会人としてのマナーです。

その際、休職の必要性を客観的に証明する書類として、医師が作成した「診断書」の提出が求められます。

詳しい手続きは、こちらの記事で詳しく解説しています

貧血が原因で休職する際の、診断書のもらい方から傷病手当金の具体的な申請方法、そして回復までの流れについて、より詳細な手順を知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

▼あわせて読みたい(2025年8月8日公開)

【企業向け】社員の貧血と会社の法的責任(安全配慮義務)

企業の安全配慮義務について議論する人事担当者

企業は、労働契約法第5条に基づき、従業員が安全で健康に働けるよう配慮する「安全配慮義務」を負っています。

従業員の貧血を認識しながら適切な措置を怠ると、安全配慮義務に違反したとみなされ、労災認定や損害賠償請求に発展する可能性があります。

企業が対応する際のポイント

企業が対応する際のポイント

ポイント 内容
①法的責任の理解 労働契約法に基づく「安全配慮義務」があり、違反すると損害賠償リスクがある。
②就業上の措置 産業医の意見を基に、業務リスクに応じた就業制限や休職命令を検討する。
③対応フローの確立 相談受付から専門家連携、本人への説明まで、一貫した社内プロセスが重要。
④クラスター記事の活用 具体的な就業制限の基準やフローは、専用の記事でさらに深く学べる。

従業員の健康を守る「安全配慮義務」とは?

企業(事業者)は、労働契約法第5条に基づき「安全配慮義務」を負っています。

安全配慮義務とは従業員が生命や身体の安全を確保しつつ労働できるよう、必要な配慮をする義務です。従業員の健康状態を把握し業務内容を調整する責任を伴います。

安全配慮義務に基づく対応は、従業員を守るだけでなく企業全体を守るための経営課題です。

参考:e-Gov 法令検索「労働契約法」

就業制限の判断基準と具体的な措置の内容

私たち産業医が企業から受ける相談で特に多いのが就業上の措置に関するものです。

厚生労働省の「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」でも示されているとおり、企業は従業員の健康状態に応じた就業上の措置を講じる必要があります。

貧血の場合、産業医などの専門家の意見を聴取した上で、以下のような措置を検討します。

  • 就業制限:運転業務や高所作業など、特定の危険業務を一時的に禁止する。
  • 業務転換:負担の少ない部署へ一時的に配置転換する。
  • 労働時間の短縮:時間外労働を禁止し、所定労働時間内での勤務とする。
  • 休業措置:療養に専念させるため、休職を命じる。

参考:厚生労働省「事業場における治療と仕事の 両立支援のためのガイドライン」

社員から貧血の相談を受けたら?企業としての対応フロー

もし、従業員から貧血に関する相談を受けたら、まずは本人の話を傾聴しつつ状況を正確に把握しましょう。

その後は、独断で判断せず、必ず会社の産業医や保健師に相談してください。

管理職の重要なラインケアの一環としての助言を求めることが重要です。

企業が取るべき具体的な対応フロー

安全配慮義務違反のリスクを確実に回避し、従業員に適切に対応するための具体的なフローは次の表の通りです。

主治医と産業医の意見が異なる場合の対処法など、より実践的な情報を知りたい企業担当者の方は、次の記事でより細く解説しているので、ぜひご参照ください。

▼あわせて読みたい(2025年8月22日公開)

社員の貧血と就業制限|安全配慮義務違反を防ぐ実践的対応

貧血と上手く付き合いながら働くための改善・予防策

貧血改善のための鉄分豊富な食事

貧血の治療には時間がかかることもあります。ドクターストップや休職といった事態を避けるためにも、日頃からのセルフケアと、職場での円滑なコミュニケーションによる予防・改善が大切です。

貧血を改善するためのセルフケア

貧血を改善するためのセルフケア

アクション ポイント
①食事によるセルフケア 鉄分を効率的に摂るための3つのコツを実践する。
②職場でのコミュニケーション 客観的な事実と具体的な配慮のお願いをセットで伝え、理解と支援を得る。

食事で改善!鉄分を効率的に摂る3つのコツ

貧血改善の基本は、毎日の食事です。

特に鉄欠乏性貧血の場合は、ただ鉄分を摂るだけでなく吸収率を高める工夫が鍵です。

  • ヘム鉄を意識する:吸収率が高い「ヘム鉄」が豊富なレバーや赤身の肉、カツオなどを積極的に食事に取り入れましょう。
  • ビタミンCとセットで摂る:野菜や果物に含まれる「非ヘム鉄」は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が格段にアップします。
  • 吸収を妨げるものを避ける:コーヒー、紅茶、緑茶に含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げます。食事中や食後すぐの摂取は避けるのがおすすめです。

職場での理解を得るためのコミュニケーション術

貧血の辛さは、外見からはわかりにくいものです。

そのため、職場で誤解されてしまう精神的ストレスも少なくありません。

周囲の理解を得るためには、伝え方の工夫が重要です。

ポイントは、「辛いです」と感情的に訴えるのではなく、客観的な事実と具体的にしてほしい配慮をセットで伝えることです。

「医師から貧血と診断されており、〇〇という症状があります。つきましては、〇〇のような配慮をいただけると大変助かります」といった伝え方が効果的です。

ご自身の職種に合わせた、より具体的な伝え方を知りたい方は、こちらの記事が役立つはずです。

▼あわせて読みたい(2025年8月15日公開)

貧血の辛さの伝え方|立ち仕事や運転業務で配慮を得るコツ

まとめ:貧血は個人と企業で取り組むべき健康経営の重要課題

貧血は、従業員個人の健康問題であると同時に企業の生産性や安全確保を左右する、経営レベルで取り組むべき課題です。

従業員は自身の体調変化というサインを軽視せず、早めに専門家へ相談することが大切です。そして企業は、従業員が安心して働けるよう法律や国のガイドラインに基づいた支援体制を構築することが求められます。

記事を羅針盤として、まずはご自身の状況把握から始めてみてください。そして、専門家への相談や具体的な対策へと、次の一歩を踏み出すことをおすすめします。

▼合わせて読みたい

  1. 貧血でドクターストップが出るヘモグロビンの数値はどれくらいですか?

    明確な一律の基準はありませんが、一般的にヘモグロビン(Hb)値が7.0g/dL未満の「重度貧血」になると、就業不可(要休業)の判断がなされることが多いです。ただし、7.0~10.0g/dLの「中等度貧血」でも、運転業務や高所作業など危険を伴う仕事の場合は、就業制限や休業の対象となる可能性があります。最終的には数値だけでなく、自覚症状や業務内容を総合的に考慮して医師や産業医が判断します。

  2. 健康診断では異常なしと言われますが、貧血のような不調があります。これは何ですか?

    それは「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)」の可能性があります。一般的な健康診断で測るヘモグロビン値は正常でも、体内の貯蔵鉄(フェリチン)が枯渇している状態で、だるさや集中力低下など様々な不調を引き起こします。この状態は精神的なストレスにも繋がるため、放置せず専門家への相談をおすすめします。より詳しい対策は当サイトの「隠れ貧血」に関する記事をご覧ください。

  3. 会社の安全配慮義務とは、具体的にどのような法律に基づいていますか?

    安全配慮義務は、主に「労働契約法第5条」に定められています。この法律に基づき、企業は従業員の心身の健康と安全を確保するための配慮を行う義務があります。これには、健康診断の結果に基づく就業上の措置や、メンタルヘルス対策、ハラスメント防止などが含まれ、企業の重要な経営課題と位置づけられています。

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