体調不良の従業員のストレスとは?症状の特徴と企業ができる3つの対応
企業で働く従業員は、多くの場面で効率的な仕事と高いパフォーマンスが求められます。しかし、効果的な仕事は従業員が健康であってこそ成り立ちます。従業員の心身に不調がある場合、健康な状態と同じような働き方は難しくなる可能性があります。
従業員の心身の健康を妨げる大きな要因には、ストレスの存在があります。そのため、企業側は従業員のストレスを緩和する取り組みが欠かせません。
本記事では、従業員のストレスによる体調不良の症状や企業ができる対応策について解説します。企業の責任者や人事に携わる方は、ぜひ参考にしてみてください。
ストレスから生じる体調不良の種類について
ストレスは見えにくいからこそ、従業員自身や企業側も気付きにくいものです。しかし、ストレスが生じると、体や心に一定の不調が伴いやすいといわれています。そのため、ストレスからくる体調不良の種類を理解できれば、病気などの早期発見につなげることが可能になります。
体に関する症状
ストレス状態に陥ると、神経伝達物質であるセロトニンが過剰に分泌されることがあります。セロトニンによる脳内のホルモンバランスが崩れるなどの影響により、次のような体の症状や病気が現れやすいとされています。
セロトニンなどの脳内のホルモンバランスが崩れるなどの影響により、次のような体の症状や病気が現れやすいとされています。
- 頭痛や発熱めまい
- 腹痛や下痢
- 急性胃腸炎
- 吐き気 不眠症など
心に関する症状<
ストレスからくる体調不良は、体に関するものだけではありません。
セロトニンの過剰分泌以外にも、ストレスによってセロトニンの分泌が低下する場合もあります。
セロトニンの分泌の低下が原因で、脳内のホルモンバランスが乱れ、次のような心に関する症状や病気が生じることも多いといわれています。
セロトニンなどの脳内のホルモンバランスが崩れるなどの影響により、
セロトニンの過剰分泌以外にも、ストレスによってセロトニンの分泌が低下する場合もあります。
セロトニンの分泌の低下が原因で、脳内のホルモンバランスが乱れ、次のような心に関する症状や病気が生じることも多いといわれています。
- 不安感やイライラ感
- ゆううつ感ややる気のなさ
- うつ病
- 適応障害など
体と心の両方の症状が現れるケースもある
ストレスが原因で、人は体や心にさまざまな症状が現れます。
しかし、どちらか一方ではなく体と心の両方に問題が生じる場合も珍しくありません。たとえば、自律神経失調症は、次のような症状を同時に抱えることがあります。
体の症状
- 頭が重い、痛い
- 全身疲労感がある
- 手足が震えたりしびれたりする
- 下痢や便秘になりやすいなど
心の症状
- 将来に強い不安を感じる
- 漠然としたイライラ感が続く
- 死にたくなることがある
- 決断力や集中力が低下するなど
参照:一般社団法人日本臨床内科医会「自律神経失調症」(PDF)
企業が従業員にできる3つの対応
ストレスによる体調不良の症状を企業側が理解してくれれば、従業員も安心して仕事ができるようになります。また、企業側も不調を理解するだけではなく、従業員の状態が深刻化する前に適切な対応を実施することが重要です。
以降では、企業が実施できる具体的な対応を3つ紹介します。紹介する対応の実施が自社だけでは難しい場合は、お気軽にSUGARにお問い合わせください。
対応①ストレスチェックを実施する
ストレスは見えないからこそ、可視化することが大切です。企業側はまず、従業員がどの程度のストレスを感じているかを実際に把握する必要があります。
ストレスチェックテストは従業員がいくつかの質問に回答することで、一定以上のストレス(高ストレス)を抱えているかどうかの調査が可能です。
ストレスチェックは、従業員を常時50人以上雇用している事業所が年に1回以上実施する義務があります。しかし、従業員50人未満の事業所でも従業員の心身の健康を理解するには有用のため、導入を検討することをおすすめします。
参照:厚生労働省「ストレスチェック制度導入マニュアル」(PDF)
対応②セルフケアとラインケアに力を入れる
企業側は従業員のストレスの程度を把握するだけではなく、ストレスを抱えにくくするための取組みを進めていく必要があります。具体的な対応の一つとして、セルフケアとラインケアを積極的に活用することが重要です。
セルフケアとは、従業員が自身の心身の不調を予防・緩和するために、睡眠時間をしっかり取ったり、ストレス発散のために軽い運動をしたりする取り組みを日頃から心がけることです。
一方、ラインケアとは上司が部下の心身の不調に気付き、相談を受けたり、職場環境の調整を行ったりする取り組みです。また、部下の仕事量や業務の調整、配置転換などのケアにも気を配ることが大切です。
対応③企業内外の相談窓口設置や医療機関との連携を整備
従業員の体調不良に関する予防や緩和の対応を行っていても、従業員の症状によっては、よりきめ細やかなサポートや医療専門スタッフの助けが必要となるケースも少なくありません。
たとえば、社内外に相談窓口を設置し、従業員が気軽に心身の不調について尋ねることができる機会を設けることが大切です。また、相談窓口は上司に相談しにくい悩みをうちあける場としても、有効に機能するでしょう。
さらに、社員によっては医療的ケアが必要になる場合もあります。従業員に適切な治療を速やかに受けてもらうためには、企業側が医療機関と密接につながることのできる努力をしておくことも重要です。
まとめ:体調不良への対応は予防と早期発見が大切
従業員の体調不良は、小さな不調が積み重なり深刻なケースに発展することが多いものです。それを避けるためには、従業員に重篤な症状が出ないよう日頃からストレスチェックやセルフケア、ラインケアを職場に根付かせることが大切になります。
また、予防だけではなく、企業側は従業員の細かい変化や状態にいち早く気付く必要があります。適切な時期に医療機関を紹介するなどのふさわしい対応ができれば、従業員を不調から守ることができるでしょう。
体調不良の従業員を見落とさないように、できることから配慮してみてください。