ストレスからくる4つの症状は?ストレスで起こる病気についても解説

ストレスからくる4つの症状は?ストレスで起こる病気についても解説

ストレスをためすぎると心身に不調をきたすといわれています。健康を保つ上ではストレスの影響に目を向けることが欠かせません。しかし、ストレスがどのような症状を引き起こすのか、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ストレスからくる代表的な4つの症状について解説します。さらに、慢性的なストレスから生じる身体疾患や精神疾患についても説明します。ストレスが引き起こす悪影響について正しく理解し、早めの対処を心がけてください。

ストレスとは?

ストレスとは?

ストレスとは、何らかの物理的、精神的負荷によって引き起こされる緊張状態を指す言葉です。物理的、精神的負荷のことをストレッサーと呼び、代表的なストレッサーは以下のようなものが挙げられます。

  • 物理的ストレッサー:暑さや寒さ
  • 生理的ストレッサー:空腹や飢え、睡眠不足
  • 心理的ストレッサー:家庭や職場、人間関係での不安、緊張

ストレッサーによって生じる心身の反応をストレス反応といいます。ストレス反応は、ストレッサーに対抗するための防衛反応です。

しかし、ストレッサーがあまりにも脅威的であったり、慢性化したりすると、心身に異常をきたします。

ストレスからくる4つの症状とは?

ストレスからくる4つの症状とは?

ストレス反応は必ずしもネガティブなものではなく、適度な緊張感を高めてパフォーマンスを向上させます。しかし、ストレス反応が持続し慢性化すると、不適応症状が現れ、何らかの病気を引き起こす可能性があります。

ストレスによって引き起こされる不適応症状とはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な症状を解説します。

【考え方】悲観的で自信がなくなる

ストレスが慢性化すると、考え方に変化を及ぼすことがあります。「どうせうまくいかない」「過去の失敗ばかり考えてしまう」というように、悲観的で自信がなくなることが多いでしょう。

さらに、症状が進むと、自分を責めて「役に立たない存在だ」と考えるなど、うつ病の症状に似た状態に陥ることもあります。

【感情】おっくうさや不安、怒りが強くなる

感情面では、憂うつ感や不安感の高まりがよくみられます。「外出するのがおっくう」「正しい判断なのか不安」などと活動レベルが下がり、行動に時間がかかってしまうことがあるでしょう。

また、ストレスに立ち向かうために交感神経の働きが高まり、怒りやイライラが強くなりやすいこともあります。さらに、気持ちをうまく切り替えられず、不快な感情が長く続きやすいでしょう。

【身体】疲労感やさまざまな身体症状が生じる

身体面では、疲労感が強く、寝ても疲れが取れないような状態になることが多いでしょう。身体症状として現れるストレス反応は、多岐に渡りますが、代表的なものは以下の症状です。

  • 頭痛、肩こりなど筋肉の緊張に伴う症状
  • 喉が詰まる感覚
  • 息苦しさや動悸(どうき)など不安感に伴う症状
  • 不眠症状

【行動】集中力の低下や不健康的な行動が増える

行動面では、集中力が低下し、仕事の効率が下がってしまうことがあります。また、ストレスを解消するために、飲酒や喫煙などの不健康的な行動が増え、他の身体疾患の発症リスクが高まる可能性があります。

ストレス過多が引き起こす身体の病気とは?

ストレッサーと戦う状態が持続すると、心だけでなく身体にも症状が現れ、さまざまな身体疾患の発症リスクを高めます。代表的な身体の異変として、次の3つが挙げられます。

  • 血管の収縮
  • 消化機能の乱れ
  • 免疫機能の異常

ストレスがもたらす3つの身体的な異変について、詳しく解説します。

【血管の収縮】心臓病、脳卒中

ストレスは心臓病(冠動脈疾患)、脳卒中の発症リスクを高めます。海外の大規模な研究では、発症リスクが冠動脈疾患では1.23倍、虚血性脳卒中では1.24倍高まることが示されています。

ストレスが血管を収縮させ、心臓病や脳卒中の発症を高めるメカニズムについて、詳しいことはわかっていません。交感神経の働きが活発化した結果、全身の血管が収縮し、高血圧になりやすいことが原因ではないかと考えられています。

参考:Kivimäki M et al.(2012)「Job strain as a risk factor for coronary heart disease: a collaborative meta-analysis of individual participant data.」

参考:Fransson EI et al.(2015)「Job strain and the risk of stroke: an individualparticipant data meta-analysis.」

【消化機能の乱れ】過敏性腸症候群、神経性胃腸炎

ストレスは消化機能の乱れを引き起こします。代表的なストレス関連疾患として、過敏性腸症候群や神経性胃腸炎が挙げられます。いずれも、検査を受けても異常が見つからないということが特徴です。

過敏性腸症候群とは、腹部の痛みに吐き気や下痢、便秘などの症状を伴うもので、ガスがたまるような不快感が特徴です。原因は解明されていませんが、ストレスで脳神経系が興奮し、大腸運動が亢(こう)進するなど、心因性のものだと考えられています。

神経性胃炎は、胃部の痛みや不快感、胸やけなどの胃腸の異変が代表的な症状です。ストレスを受けることで、交感神経が亢(こう)進し、胃液の分泌が過剰になり胃を荒らしてしまうことが原因と考えられています。

参考:日本消化器病学会「機能性消化管疾患診療ガイドライン2020」

【免疫機能の異常】気管支喘息、アレルギー

気管支喘息や花粉症などのアレルギー症状もストレスによって生じやすい疾患です。ストレスフルな状態が続くと、脅威に対抗するためにノルアドレナリンやステロイドなどの神経伝達物質の分泌が促されます。その結果、免疫細胞のバランスが崩れることが原因だと考えられています。

とくに、気管支喘息に関しては、うつ病や不安障害にかかる人の割合が高い傾向があることが特徴です。ストレスと密接に関係した病気だといえるでしょう。

参考:齋藤紀先(2019)「心理ストレスが与えるアレルギー疾患への影響 ―気管支喘息を中心に―」(PDF)

精神的ストレスから起こる心の病気とは?

精神的ストレスから起こる心の病気とは?

ストレスは身体の病気だけでなく、心の病気の発症に影響します。ストレスが限界に達した場合、うつ病や不安障害、統合失調症などの精神疾患を発症する可能性があります。

気分の落ち込みが2週間以上続いたり、過剰な不安や恐怖から日常生活が送れなくなっているなどの状態には注意が必要です。ストレス症状は、ストレッサーから離れると軽快するケースが多いですが、精神疾患の治癒には時間がかかる場合があります。

精神疾患を発症する前に、早めの対処を考えることが大切です。ストレスが限界に達するとみられるサインや受診の目安については、以下の記事もご覧ください。

関連記事:ストレスが限界のサインは?受診の目安や自覚症状について解説!

まとめ:ストレスを放置すると病気を発症する可能性も

まとめ:ストレスを放置すると病気を発症する可能性も

現代社会では、ストレスから逃れることは難しいといえます。真面目な人ほど、何らかの不調を感じていても「自分はまだ大丈夫」とストレスを見過ごしがちでしょう。ストレスが慢性化すると、身体や精神の病気にかかるリスクを高めてしまいます。
医療機関への受診や産業医への相談など、早めの対処が肝心です。異変を感じたら専門家に相談し、現在の症状が医学的に見てどのような状態なのかを判断してもらうことがおすすめです。

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