メンタル不調で休職する女性の特徴とは?女性の復職支援について解説
働く女性が抱える悩みは、とくに男性にとってはイメージしづらいという人も多いのではないでしょうか。
女性は男性よりもストレスを抱えやすいといわれており、その原因も多岐にわたります。メンタルヘルス不調に陥った女性従業員をサポートするためには、女性特有の心身の不調を理解し、対処することが必要です。
本記事では、女性が抱えやすいメンタルヘルス不調の特徴や、復職支援におけるポイントを解説します。女性のサポートに悩む管理職や企業の担当者に向けて、具体的な方法がわかる内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
働く女性が抱えやすいメンタル面の4つの問題とは?
休職の原因にもなる、働く女性が抱えやすいメンタル面の問題はどのようなものがあるのでしょうか。4つの問題から解説します。
問題①:気分が落ち込む要因が多い
メンタルヘルス不調の原因として多いうつ病の有病率は、男性よりも女性の方が1.6~3.0倍多いとされています。育児や介護負担といった家庭内のライフイベントや、月経や出産といった生理現象などのストレス要因が多いためです。
また、「秋から冬にかけて気分が落ち込む」といった特定の季節にうつ症状がみられる季節性感情障害も女性に多いとされています。日本では、男性の1.4倍とやや多い傾向があります。
女性は仕事以外の要因からもメンタルヘルス不調に陥りやすく、気分の落ち込みが続きやすいといえるでしょう。女性のメンタルサポートにおいては、職場ストレスだけに限定せず、広い視点で理解していく必要があります。
参考:高槁 清久「精神医学とジェンダー」(PDF)
問題②:対人関係に悩みやすい
働く上で抱える対人関係の悩みは、男性よりも女性に多い割合でみられます。厚生労働省では、仕事に関する悩みのうち、対人関係の悩みを抱えているのは男性22.6%に対し女性は29.1%と多い傾向にあります。
精神面の安定には、困ったときに相談でき、円滑なコミュニケーションがとれる良好な関係性が重要といえるでしょう。
とくに、IT分野のように専門性が高い職種では女性の従業員が少ない企業もあり、ロールモデルが不足している場合があります。女性特有の悩みがあるときに相談しにくかったり、明確なキャリアパスが想像できなかったりするなど、葛藤を抱えやすいでしょう。
企業としては、女性従業員を取り巻く対人関係を捉え、ストレスを抱えやすい構造になっていないかをチェックすることが大切です。
参考:厚生労働省「令和3年度労働安全衛生調査」(PDF)
問題③:女性管理職のストレスが大きい
女性の社会進出が進む中で、女性が管理職として登用されるケースも珍しくなくなりました。しかし、男性に比べて女性管理職のストレスは大きいということがわかっています。
一般的には、管理職になると仕事の裁量範囲が広くなり、業務をコントロールできるという点ではストレスが少なくなります。しかし、女性管理職の場合は、裁量権の不足や昇給昇進の見込みが薄いこと、同僚のサポートの少なさといったストレスを抱えやすいのです。
女性管理職が抱えるストレスの傾向は、管理職でない男性従業員のストレスと同じ傾向であるといえるでしょう。管理職に昇進したとしても、責任が増大するだけでストレスが過度になりやすいのです。
参考:牛尾奈緒美ほか「女性管理職の職場ストレスに関する組織的要因-性差・職位等を踏まえた検討-」(PDF)
問題④:出産や育児など仕事以外のストレスの種類が多い
出産と育児に伴う休職も、女性を悩ませる問題の1つといえます。育児休業後は、会社で働く自分と母親としての自分といった2つの役割を担うことになります。2つの役割をいかに両立させるかが、働く女性にとっては大きな問題になりやすいでしょう。
たとえば、復職後は時短勤務になるよう配慮してもらっても、業務分担が難しければ業務量は減らないことがあります。短い勤務時間の中で多くの業務量をこなすことは大きな負担がかかります。
また、仕事が忙しくて育児がおろそかになってしまうと、子どもへの罪悪感や、ほかの母親と比べて劣等感を抱くこともあるでしょう。仕事と育児の両立は、さまざまな葛藤や悩みを増大させ、メンタルヘルス不調の可能性を高める可能性があります。
企業の担当者が心がけるとよい復職サポートの方法とは?
メンタルヘルス不調の引き金になるストレス要因が多いことが女性の特徴だといえます。では、企業の担当者としては、メンタルヘルス不調により休職する女性従業員をどのようにサポートすればよいのでしょうか。
サポート①:女性特有の不調に合わせた就業上の配慮を行う
女性の復職をサポートするためには、女性特有の落ち込みの原因を把握し、それらを見据えた就業上の配慮を行うことが重要です。
たとえば、月経前の気分の浮き沈みには個人差がありますが、業務に支障をおよぼすレベルであれば配慮が必要でしょう。とくに、月経前症候群(PMS)や月経困難症と診断される状態だと、月経周期に気分が左右されがちです。
また、生理現象からくる急な体調不良に対応できるよう、欠勤に対応できるチーム体制や業務の共有など、復職先の環境設定が求められます。
サポート②:専門家によるカウンセリングを勧める
女性は男性よりも、悩みがあると相談につながりやすいといえます。メンタルヘルス不調が疑われる場合や、休職中にカウンセリングを勧めることも1つの方法でしょう。
とくに、女性が抱えがちな対人関係の悩みは、社内のスタッフに話すことに抵抗がある人もいます。そのような場合は、社外の医療機関やカウンセリングルームなどの秘密が守られる環境を紹介するとよいでしょう。
サポート③:仕事以外のストレス要因を共有する
女性が抱える悩みは仕事の悩みに限らず、育児や介護、家事、プライベートの対人関係など多岐にわたります。「仕事で悩んでいる」という訴えでも、背景には別の悩みが絡み合っていることが少なくありません。こういった悩みは業務の中では拾い上げられないものです。
そのため、時間を設けて困りごとをじっくり聞く機会を作ることが、復職後のフォローにおいては重要です。個人面談の場として1on1ミーティングを導入し、気軽に悩みを話せる職場環境づくりに努めることが求められます。
1on1ミーティングに関しては、以下の記事もご覧ください。
関連記事:1on1ミーティングでストレス軽減できる?対話の姿勢や質問を解説
まとめ:女性特有の悩みを理解して復職をサポートしていきましょう
働く女性の悩みには、生理現象や女性が置かれている社会的な役割が原因となるものがあります。男性に比べてストレスになる原因が多いともされており、どのような要因がストレスになっているかを理解し、適切な対処を取ることが大切です。
しかし、ストレスには個人差があり、従業員一人ひとりがどのようなストレスを抱えているかを丁寧に把握する姿勢も重要です。女性が抱えやすいストレスの要因を念頭に置きながら、休職や復職にあたって抱えている悩みをサポートしていきましょう。