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ストレスによる離職者を防ぐには?企業ができる3つの対策

ストレスによる離職者を防ぐには?企業ができる3つの対策

企業で働く社員のメンタルヘルスの大切さを理解している企業は増えてきています。しかし、メンタルの不調は外からは見えにくいため、気付かないうちに深刻化し、離職につながることもあるでしょう。

社員の離職を防ぐためには、企業側もメンタルヘルスに関する知識を学ぶことが効果的です。

本記事では、ストレスの影響による社員の離職を防ぐための対処法について解説します。企業の管理者や人事に携わっている方は、ぜひ参考にしてください。

離職につながる3つのストレス要因

離職につながる3つのストレス要因

ストレスの種類には、さまざまなものがあります。主に、離職につながる可能性のあるストレスを紹介します。

ストレスの要因①社内の人間関係が円滑ではない

多くの職場では、人間関係の悪さが社員に大きなストレスを与えるといわれています。

たとえば、社内で仕事の進め方や疑問点などを、上司や同僚に気軽に質問できる雰囲気がなかったり、上司の言うことには絶対に従うという風土が根付いている企業もあるでしょう。

また、社員同士で他人の悪口を言ったり、いじめが横行していたりするケースも少なくありません。

ストレスの要因②労働時間などの環境が整っていない

労働時間などの問題も、社員のストレスと密接に関連するケースが多いでしょう。具体的には、残業時間が長い環境や有給休暇が取りにくい雰囲気だと、ワークライフバランスを保ちにくくなるでしょう。

なお、育休がとりにくいために子育てとの両立が難しかったり、介護休暇などへの理解がない企業だと、社員のライフステージに大きな影響を与える可能性があります。

ストレスの要因③給料などの待遇面が悪い

仕事にはやりがいも必要ですが、生活していくには給料も重要です。そのため、給料が他企業と比べて著しく低かったり、どんなに頑張っても昇給がない、もしくは昇給がないに等しかったりすると、ストレスを抱えやすくなるでしょう。

なぜなら、給料が低いと家賃の支払いが困難になる、食費に十分なお金がかけられないなど生活環境に影響を及ぼして不満を感じやすいためです。

また、ボーナスがない、あるいはないのと同様の企業で働いていると、社員のモチベーションも下がってしまいます。

ストレスが原因で社員に生じる3つのこと

ストレスが原因で社員に生じる3つのこと

ストレスにさらされると、緊張状態や疲労感などを感じるとされています。心と身体のバランスの取れない状態になると、社員の仕事の進め方や体調面にも問題が出てくる可能性があります。

では、どのような悪影響があるのか以降で紹介します。

①仕事の効率やパフォーマンスが低下する

ストレスで疲労感などが生じると、担当している仕事をこなすだけで精一杯になる場合があるでしょう。このような状態になると集中力が低下し、仕事のミスが多くなります。ミスが増えると仕事の進捗が遅くなるため、仕事が大幅にたまってしまう可能性が高くなります。

労働時間が長くたくさんの仕事をこなす必要がある状態では、判断力が鈍り、パフォーマンスも低下します。

②うつ病などメンタルの不調に陥る

ストレスがかかると、脳内伝達物質の伝達がうまくコントロールできなくなるといわれています。具体的には、人はストレスを感じると、脳内伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンが減少しやすくなるのです。

これらの伝達物質は感情の調整を行う役割を持つため、減少すると、意欲の低下や憂うつ感、不安感などが生じ、うつ病や適応障害などのメンタルの不調が生じやすいとされています。

参考:厚生労働省「こころもメンテしよう ストレスとこころ  うつ病」

③メンタル不調の影響で就労が困難になり、離職の可能性が高まる

社員が任せられた仕事をうまくこなせなくなったり、メンタルの不調が出たりすると、働くこと自体に支障をきたすようになるといえます。そうなると、自信をなくしたり、上司から注意されたりで心身が不安定になるでしょう。

さらに、社員のセルフケアや上司のラインケアがうまく機能しない職場だと、メンタルの問題の改善が期待できない可能性が高く、就労が困難になるほど悪化する場合も多くなります。

その結果、休職や退職を余儀なくされる場合も多く、結果的に離職につながるケースが少なくありません。

参考:厚生労働省「15分でわかるラインによるケア 」(PDF)

企業側ができる社員への3つのストレス対策

社員がストレスの影響で仕事ができなくなり離職すると、企業も労働力を失って事業活動にも影響が出るかもしれません。企業がよりよく発展していくためにも、日ごろから社員のストレス対策を心がけることが重要です。

①ストレスチェックを実施する

社員が抱えるストレスは、目には見えないことが多いものです。つまり、ストレスを客観的に可視化する必要があるといえます。そのためには、社員個人のみならず、企業側も社員のストレスの有無や程度を知るために、定期的にストレスチェックを実施することをおすすめします。

ストレスチェックは、従業員を常時50人以上雇用している企業の場合、年に1回以上行う義務があります。しかし、可能な限り50人未満の従業員を雇用している企業でも、実施すると効果的でしょう。

参考:厚生労働省「ストレスチェック制度簡単導入マニュアル」(PDF)

メンタルヘルス研修を定期的に行う

メンタルヘルスに関する知識は、社員をはじめ、企業側もまだ詳しく理解できていないケースが珍しくありません。メンタル不調はだれにでも起こりえる可能性があるため、不調にはどのような要因があるのか、重症化するとどのような疾患につながるのか、不調から回復する方法などを日頃から知っておくことが大切です。

メンタルヘルスに関する知識を身につけておくことで、社員に不調が起こったとしても早期に気付くことができ、適切な対処を取ることが可能です。

③社員のための相談窓口を社外に設置または案内する

ストレスを感じている社員が気軽に悩みを相談できるように、企業は社内に相談窓口を設けることをおすすめします。ただし、企業内の窓口には相談しにくいという社員もいることから、社外に専門窓口を設置したり、医療機関への受診などを案内する取り組みも求められるでしょう。

まとめ:企業が社員のストレスに敏感になることで離職を防ぐ

まとめ:企業が社員のストレスに敏感になることで離職を防ぐ

メンタルヘルスの知識やストレス対策は社員個人の心がけが大切ですが、社員だけの力では十分ではない場合も珍しくありません。なぜなら、ストレスは個人の努力だけで解決するものではなく、周囲の環境が影響しているケースも多いからです。

そのため、企業側も社員のストレスに気を配ることが重要になります。メンタルヘルス研修の実施や社員が相談しやすい空気などを積極的につくる意識が、社員の離職予防につながるといえるでしょう。

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